観光がつなげる商店街の活性化O2Oというビジネスモデルを考えてみました 105/100

アイディアメモ

新年あけましておめでとうございます。

年初ですから、2023年にぜひトライしてみたいビジネスモデルを書き留めておきます。
「観光がつなげる商店街の活性化O2Oビジネスモデル」

商店街は「かかわりづくり」観光の場

地域に行くと必ず課題になっているのが商店街の活性化。
車社会に取り残された駅前商店街。
長く地域の担い手であった商店のみなさんは高齢化し、道行く人はまばら。
大規模小売店舗と比べれば、定休日もあるし、夕方にはお店は閉まる。
活性化と叫ぶものの、画期的な打ち手は見えず、疲弊感は増すばかり。

みなさん、こんなイメージをお持ちですよね。
でも、一度お店に入ってみてください。きっと新しい可能性を感じるはずです。

小田原と上越で観光まちあるきをする機会があり、気がついたこと。
・お店に入ってみるとみなさん元気に営業中
・お店の人たちはひとりひとり個性的
・とても親切でおしゃべりな人がたくさんいる
・旅行者との交流をとても楽しんでもらえる
つまり、商店街は元気ないように見えますが、一つ一つのお店はみんな元気。
スーパーマーケットにはない会話が楽しめる場所なんだとあらためて認識しました。

一般的にそんなベタベタした付き合いは「最近は敬遠されている」と思ったりするのですが、それは日常生活のこと。地域の日常は旅行者にとっての非日常なのですから、たまたま立ち寄ったお店での「旅行者としての交流体験」はベタベタとしたものではなく、新しいもの、めずらしいものとして受け止められているのではないかと感じました。
それを確信的に感じたのは、今回一緒にまちあるきをした20代そこそこの新入社員男子、20代アジア系外国人のみなさんがお店との交流をとても喜んでいただいたこと、1日終わった後に何が印象に残ったかを聞いたときに「お店のみなさんが記憶に残っている」「みんなやさしい」と答えていただいたことでした。しかも彼は確実にそのお店の商品を買ってくれるのです。「知ってる店がある」「おすすめできる店ができた」といえるのはうれしい体験なんですよね〜。
ベタベタすぎない、旅行者ならではの観光コミュニケーションは「かかわりづくり」の新しいカタチなのかもしれませんね。

テレビでは個性あるお店をフィーチャーしてますよね

最近のテレビではいやというほどグルメ番組が並んでいますよね。
タレントによる大食い、激辛はそろそろ見ているのもつらいです。おそらくもうそろそろ貧困・飢餓・健康・環境への負荷とかの観点から「コンプライアンス」が発動されることでしょう(笑)
もうグルメ系番組も限界にきているという感はありますが、ちょっと目立つ存在が「味」のレポートはそこそこにして「お店の人」をフィーチャーする(場合によってはイジる)番組が出てきてますね。

観光においても「有名なところに行く」「ランキング上位のものを食べる」「映える写真を撮る」ことにそろそろ「飽き」が来ているのではないでしょうか?たしかに昭和から平成にかけてはまだ旅行が日常化していなかったので「一生に一度は」とか、「せっかくだから」という言葉をたびたび耳にしていましたので、そういった情報も必要だっのでしょうが。ただ、旅行が当たり前になって、いろいろな場所に行って、いろいろなものを食べつくしてしまった今、そんなにびっくりするものはないし、ネットを検索すれば簡単に情報を手にすることができる時代なので、検索して出てくるものには関心を向けてもらえません。

そんな時代だからこそ、「お店の人」は意外と魅力的なんです。
超有名店でなくとも、その地域で長きにわたり「お店を守ってきた人たちの魅力」はとても貴重なコンテンツなのです。お店のこだわりや歴史、人となりのすべてがコンテンツとして成立していることに今気がついたということです。
テレビ番組にもなりうるだけの魅力を持つ「お店の人」はこれからの観光においても大いに魅力的なものになると思います。地域の日常は観光になりうる可能性があるということです。

大切なのは「つなげる人」の存在

ただ、知らない土地の知らないお店に突然入ったりするのはちょっと度胸が必要ですし、そこでコミュニケーションを図るのもちょっと難しいですよね。でも、観光客として、複数名で、まちのガイドさんと一緒に入っていくとなるとハードルは一気に下がります。

地域の顔見知りの人から紹介されるお店でしたら安心して入れますし、急にお邪魔しても抵抗感なく受け止めてくださいます。つなぎをしてくれる人の存在が旅行者にとってもとても大切なんですよね。その安心感もあってか、そのたまたま紹介されて訪ねた小さなお店ではありますが、そこで見るもの、食べるもの、初めて聞く話、そのすべてが思い出に、記憶に残るものとなるのです。

商店街のお店が商売っ気を出してそれぞれで観光集客をするのではなく、地域のコーディネーター=「つなげる係の人」が旅行者を連れていく流れができるといいのではないでしょうか。

弱点はデジタルに弱いところ ⇒ ここにビジネスチャンスあり

旅行者が訪ねてきて、商品の味見をする、お話をする、なじみができる、おみやげとして買っていく。というのがここまでの流れ。
せっかくお店を気に入っていただき、こだわりを伝え、商品を買ってくれたのに、そこで終わってしまうのはもったいないですよね。でも、ネット販売はやっていない。自社ホームページもない。というお店が非常に多いことに気がつきました。

・またきてほしい
・おとりよせしてほしい
・ともだちにおすすめしてほしい

これらのことはだいたいITで解決できるはずなのですが、個別の店舗となるとITを活用できていないのが実情。ここにビジネスチャンスがありそうですね。

「観光がつなげる商店街の活性化 〜OfflineからOnlineへと繋ぐ(O2O)ビジネスモデル」の可能性が見えてきませんか?
観光まちあるきツアーを起点としたリアル来店(オフライン)からのスタートなので、顔が見えている、商品だけではないそのお店の魅力を知っているという関係性が成り立っていますので、そのあとのECへのつなぎやおともだちへのレコメンドなど、かかわりがあるからこそのサービスにつながらないでしょうか?
当然ながら、観光集客、まちあるきツアー、ネット販売、SNS情報発信等のすべてをお店単体でできるものではありません。システムとしてはそれぞれがバラバラのように見えますが、顧客をベースに考えればすべて一人のお客様に提供するサービスですよね。これってうまくまとめられないかなぁ。最先端のすごい技術でもなさそうだし。商店街の空き店舗にIT系のスタートアップさんがいればできるんじゃないかなぁ。

これがシステムとしてつながると商店街が地域観光の要になる可能性が高まるはず。
全国の地域で「観光スポットがない」と嘆かなくても、商店街の「素敵なお店の人」に会う観光という新しい旅の楽しみ方が広がるといいですね。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。