旅ナカで趣味と出会える旅を作りたい 4/100 【振り返り】

3年前はもう少し「サブスク」という言葉がはやっていたのですが、最近は当たり前になったのでしょうか、もはやあまり新しいビジネスモデルとして取り上げられる言葉ではなくなったようですね。

趣味と出会えるサブスクスクール 4/100 という記事を以前書きました。一カ所の施設で毎月定額を支払うと自分の趣味が見つかるまで様々な趣味講座に参加できる仕組みがほしいということで提案しました。

どうしても趣味を持たないと人生がつまらなくなるという押しつけの意味ではなく、趣味があると目標ができたり、趣味を介して仲間ができたりして、時間の過ごし方が変わって楽しいのではないかという意味で、趣味と出会う機会を作ってみたいという思いです。最近は「出会い系」アプリで交際から結婚に至るような時代ですが、出会う前から共通の趣味があれば、話は広がるし、距離感も縮まるわけですから、「趣味あり」は人間関係においてもとても強みがあるのではないかと思います。

ということで、こんな提案はしてみましたものの、日本全国には新聞会社やスーパーマーケットが仕掛けるカルチャースクールはすでにたくさんありますし、一つのスクールでたくさんの講座を提供しています。だからといってサブスクが可能かといえば、ひとりひとりの講師は基本的に自営業者でしょうし、講師ごとの講座単価、集客力等はすべてバラバラ、月々定額のサブスク型のスクールですべての講師を納得させるのは現実的に難しいかも。

ただ、入会に悩んでいる方はかなりいらっしゃるでしょうから、新規の会員を集めるために月に何度かだけ1日5000円ポッキリですべての講座に出入り可能という施策はかなり有効かと思います。それを毎日開催にしていくことで会員数が倍増すれば、講師一人当たりの収益が今以上になるという計算が成り立てば実現可能かも。

一方で、地域の観光シーンにおいては「体験」「おためし」のできる体験教室とか、キッチンスタジオのスペースを持つ施設が増えているように思います。週末にはさまざまな体験イベントに活用されるようになってきました。1カ所でガラス体験やビーズアート、陶芸や絵付けなど、いろいろなモノづくり体験ができる施設もあります。そんな事例はありますが、地域の観光地には基本的に週末しか人が集まりませんので、常設的に体験教室を展開するのは難しい。

でも旅ナカで日常から離れた解放感とともに楽しむ趣味系、クラフト系のモノづくり、スポーツ、アクティビティは特別感があるので、そこで楽しんだ思い出と共にぜひ趣味にしてもらいたい、趣味へのキッカケとしてもらいたいと思います。

観光地での趣味系コンテンツの弱点は「時間」。
ひとつひとつの体験が1時間以上、半日、1日というケースもありますから、旅マエにちゃんと計画して体験に参加いただけるように、旅の目的としていただけるようにしておくことが求められます。それを前提として1日たっぷりと時間をとっておき、いろいろな体験を通じて新しい趣味との出会いを演出するようなプログラムがあればいいのではないかと思います。それをきっかけにして、現地の先生や現地の参加者などとの交流が広がり、地域に趣味の師匠や仲間ができるなんてステキな光景じゃないでしょうか。趣味をキッカケに再びその町を訪れる新しい旅の楽しみ方もおすすめです。

観光シーンでの趣味との出会いはサブスク型ではなく、「1日10000円で地域ならではのいろいろな体験ができる」体験パックのような商品のほうが適当なのかもしれませんね。

<追記>

今回の提案については、地域の方からすると「うちのエリアは体験プログラムが少ないから無理」とか思うのかもしれませんが、ここで展開するのは、観光向けの体験プログラムだけでなくてもいいと思っています。旅ナカで体験できることというと陶芸とかガラス細工とかそば打ちを思い出すのですが、旅ナカで出会う趣味というともう少し広い範囲で考えてみればいいのではないでしょうか?

一般的な統計調査で「趣味・娯楽」といわれているものをあげてみます。
スポーツ観覧・観戦、美術鑑賞、観劇、映画鑑賞、音楽鑑賞、楽器の演奏、コーラス・声楽、カラオケ、踊り、洋舞・社交ダンス、書道、華道、茶道、和裁・洋裁、編み物・手芸、料理・菓子作り、園芸、日曜大工、絵画・彫刻、陶芸・工芸、写真の撮影等
これらは地域において日常の中でみなさんが楽しんでいる趣味です。これであれば日常的に教えている人もいれば楽しんでいる方もいらっしゃいます。ということで観光要素だけでなく、日常的に趣味との出会いのキッカケを地域で提案するという考え方が必要かと思います。

観光体験でなく、「趣味との出会い」と発想を広げることにより、地域でも取り組みやすくなる可能性を感じたので追記してみました。