AI×地域観光に不足する「 AIのエサ」 5/100 【振り返り】

ここ3年間でもっとも進化したのがAIですね。

AI×地域の観光のために必要な「 AIのエサ」 5/100 という記事を書きましたが、このときにはまだGoogleの検索結果の一番上にAIの回答が来るなんて想像もしていませんでした。正直言ってまだどの程度まで信頼していいかわからないレベルですが、自分の知ってる情報と感覚だけで何ページもの見知らぬページを探し回るよりも段違いに便利になったのは確かです。

生成AIによる課題解決能力は1年1年格段に上がっています。
というか、我々は今まで文章作成とか、計算式とか、デザインとか、その仕上がり具合の進化を見ているとどれだけ無駄な時間を使っていたのだろうと絶望するくらいの気になることもあります。
特に文章については、言い回しとか言葉の使い方に9割くらい時間を使っていて、伝えたいことはほんのわずかだったんじゃないかと思うくらい文章の書きっぷりが上手になっています(笑)

しかしながら、記事の中で書いた「情報の濃淡の地域格差問題」はここにきてより顕在化していると認識します。

人口が多い地域の情報はあふれ、人流の少ない地域でのほしい情報はまとまっていない。それどころか、地域の中小企業や個人店舗はホームページすら持っていない、持っていても更新されていないという実情であり、AIさんがいくら賢くなっても「エサ不足」は残ったままですね。地方都市に行って晩ごはんを探そうにも「おすすめのお店」は劣化コピーの集まりみたいなランキングページばかり。Googleビジネスプロフィールがここ数年がんばってクチコミは増えているけど、全部評価が高止まりで4.0前後に集中。お店の良し悪しの判断としては、「3点台の前半はやめとこう」という消去法の判断材料になってしまいました。もっと人口が少ないところに行くと全国チェーンのお店のクチコミばかりで地元のお店は評価されないし、判断できるクチコミも少ない。

AIが観光スケジュールを生成したり、観光スポットや飲食店をレコメンドしたりするのは技術的に問題なくなってきてはいるものの、肝心な信頼できるデータが少ないのは致命的。ましてや日本語データは世界的にマイナーだし、英語への翻訳も地域ではごく限られているのが現状です。

逆に言えば、地域の観光、地域の飲食店にとってはしっかりと情報を整え、日々情報を更新し続けることにより、地域ナンバーワンをキープできる可能性はまだまだあるということ。もっともっと「エサ」をたくさん作ってAIさんに育っていただかないと地域の観光は楽しくはならないですね。そうしないとがんばって情報発信している別の地域にお客様をまるごととられてしまうことになりかねません。
ここは地域のみなさんに頑張っていただきたいところです。