国際通りの「今」と、地元沖縄が誇る「いいもの」たち
先日、沖縄へ出張に行ってきました。那覇の国際通りは以前にも増して活気に満ちていて、ほとんどが外国人観光客、そしてちらほらと修学旅行生。一時は衰退が囁かれたお土産店も、すっかり息を吹き返し、夜遅くまで賑わっていました。
どこの大きなお土産店も以前と変わらず、品揃えは大体同じで、みんなお土産価格。アジア系の観光客の方々は「元祖紅いもタルト」で有名な御菓子御殿へ吸い込まれていき、そして、まるでユニフォームのようにオリオンビールTシャツや、アイスクリームでおなじみのブルーシールTシャツを着て国際通りを歩くのが定番の観光客。
しかし、ここに地元の人たちの姿はほとんどありません。
地元民が本当に薦める「沖縄土産」とは?
そこで、沖縄の方々に「沖縄のお土産、何がいいですか?」と尋ねてみたところ、返ってきたのは国際通りでは手に入らないものばかりでした。
「ちんすこうは美味しくないって言われるのが悔しいんですよね。新垣ちんすこうをぜひ食べてほしいです。」
「雑貨なら国際通りじゃなくて、浮島通りにいいお店が増えてますよ。」
「国際通りをみて、ここにすべてがそろっているとは思ってほしくない」
地元の人たちは地元の人たちで言いたいことがたくさんあるようです。
地元客も足繁く通う!デパートリウボウ2F「樂園百貨店」
では、地元の人たちは「どこで買うのがおすすめですか?」と聞いたところ、口を揃えて教えてくれたのが、国際通りの入り口にあるデパートリウボウ2階の『樂園百貨店』(https://www.resort-dept.okinawa/store/)でした。
2021年に「沖縄のいいもの」を集めたセレクトショップとしてリニューアルオープンしたこの場所は、工芸品、アート作品、服飾雑貨からこだわりのフードまで、沖縄の伝統文化を継承しつつ、現代的で洗練されたデザインにアップデートされた品々が並びます。まさに「知る人ぞ知る」スポットで、買い物をしなくても見ているだけでワクワクする空間です。
ここに並ぶ商品は、単なるお土産というよりは、作品やアートと呼べるようなクオリティの高いものばかり。一点一点、丁寧に作られたことが伝わる品々は、それなりの単価ですが、だからこそ大量買いではなく、じっくりと品定めをしてショッピングを楽しむことができます。
沖縄の「シビックプライド」を育む場所
驚くことに、この『樂園百貨店』の売り上げの4割は沖縄の人たちが購入していくそうです。地元の人たちが本当に質のいいものを「おもたせ」として購入し、大切な人に贈る。お土産はその人のセンスを表すものですが、沖縄の人たちは、自分たちが本当に自慢できる「逸品」を選んでいるようです。
これは、地元の人たちが誇りを持てる「いいもの」が、地域のシビックプライド醸成に一役買っている証拠だと感じました。『樂園百貨店』に並んでいる商品は、いい意味で一切の「隙」がありません。伝統文化を継承しつつ、洗練されたデザイン、素材にこだわった美味しさに加え、パッケージデザインまで抜かりなく楽しませてくれます。
もし、あなたの地域に「いいものがない」と嘆いている方がいらっしゃれば、ぜひ一度『樂園百貨店』を訪れて、何が違うのかを肌で感じてみてほしいです。今後数年間で、地域産業においても代替わりが加速するでしょう。その時に「守る」だけでなく、「攻め」ながら承継していくためのヒントが、きっとそこにはあるはずです。