玉ねぎ×牛肉=淡路島牛丼 12/100

新規事業100

神戸で学生時代を過ごし、 1985年旅行会社に入社後の赴任地も神戸。
1985年は四国・徳島と淡路島を結ぶ「大鳴門橋」の開通で鳴門海峡の上に吊橋がかかったことにより、淡路島から鳴門にかけて連日ものすごい観光客が押し寄せました。そんなこともあって入社一年目の主な仕事は観光バスで淡路島に行くことでした。おそらく数十回は行った気がします。
そしてそれから3年後の1988年には瀬戸大橋が完成して本州と四国がつながり、13年後の1998年に明石海峡大橋が完成して淡路島からも四国に直接行けるようになりました。

淡路島が目の前に見えるエリアにも長く住んでいたため、とにかくよく淡路島に行っていました。
その時の記憶では淡路島は「サカナがうまい」「鯛料理」「玉ねぎの名産地」くらいが有名だったくらい。玉ねぎの名産地といわれてもスーパーで淡路島産の玉ねぎを売っているのは当たり前でしたから、すごいとも思わず。淡路島にいったらとにかく「おいしいお魚料理を食べる」だけで満足でした。
そして私が東京に異動になった後、失礼ながらすっかり縁遠くなってしまい、しばらく忘れていました。

でっ、表題の「玉ねぎ×牛肉=淡路島牛丼」ですが、2008年くらいから農水省主導で農林水産物・食品の地域ブランド化の推進が行われ、全国にさまざまなブランドが乱立?!し、そのなかのひとつに「あわじビーフ」もありました。
新しく生まれたブランドの活用・定着に向けた取り組みだとは思うのですが、そのタイミングで生まれたのが「淡路島牛丼」(https://www.awa-gyu.net/

材料は
 ・淡路島のたまねぎ
 ・淡路ビーフ・淡路牛
 ・淡路島のお米
たしかに牛丼作れますよね(笑)

私がすごいと思ったのは、牛丼チェーンの牛丼ならばせいぜい300円~500円でしか販売していない牛丼を1000円以上で販売できる名物グルメに仕立てたこと。
それから10年以上たった今でも淡路島内の60店舗以上が参加していること。

わざわざ旅行に行ったのに牛丼食べるのか???なんてはじめて聞いた時には思ったのですが。。。

牛肉、玉ねぎ、お米、それぞれの素材はそれなりに美味しいのでしょうが、それを料理に仕上げることでよりおいしさを感じられる名物の作り方はとても参考になりますね。

素材だけを見ても、料理方法だけを聞いても、そのおいしさは伝わりません。
淡路島牛丼はそれをブランド化して、可視化してみせることにより、500円の日常食を超え、名物料理にアップグレードさせたというわけです。

翻訳業界の言葉にある、直訳するだけでは本当に伝えたい意味が伝わりきらないので、意訳してわかりやすく伝える「トランスクリエーション」の概念をリアルな観光で実現していると思いました。

無名なもの、単品では力が弱いものかもしれないけど、「○○×○○」のように掛け合わせることで、新しい名物になるかも。

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