料理自慢の宿は数多くありますが、旅行パンフレットや宿泊サイトの写真だけでは本当においしいのか、自分に合っているのかが全く分かりません。高額を払うのに選ぶの大変ですよね~。
なぜなら、旅行商品はかつてから「誇大あるいは虚偽広告」で問題が多く起こったために、旅行業法的には「消費者保護」が最優先でして、それに反したものは罰則がつく規となっています。たとえば、旅行広告やパンフレットに載せる写真やイラストは、旅行日程表に含まれる目的地の風物、行事、宿泊施設、食事などしか掲載できません。旅行日程表に含まれない写真やイラストを使う場合には、それが「イメージ」であることや、実際とは異なるなどを明記するよう規定されています。それらのデメリット表示なしで実際の旅行内容とは異なった写真やイラストが掲載され、消費者に誤解を与えてしまった場合には、虚偽の事実を告知したとして旅行契約は無効となってしまいます。
ですから、旅行パンフレットの場合、旅行契約書面の位置づけでもあるためにここそこにものすごく小さな字で誤解をうまないように、またはクレームを受けないように「言い訳」を張り巡らしながら、細心の注意を払って作られています。
最近では肖像権の問題もあって、観光地の写真には人の顔が映ったものはほとんど使われてません。
ですから、おのずと観光地の写真をチョイスする場合には去年作ったパンフレットを参考にクレームが出なかったものから優先的に使用するため、毎年あまり変わり映えしないパンレットができてしまうという場合もあります。
商品内容自体は毎年工夫して、さまざまな特典・サービスを付けて販売しようという努力はするものの、パンフレットや旅行広告の表現は思い切ったものができないというジレンマがそこにあります。
ということもあり、旅行広告における「料理写真」はその典型で実際に提供される料理はその季節、天候によって大きく変わるため、1枚の写真にたくさんの器がならんだ豪華な集合料理写真がドーンとあって、片隅に「写真はイメージです。」と書かれているものばかり。
「実際にはどんなお料理がどんな順番ででてくるのだろう」と疑問に思ってしまいます。
ですから、消費者は宿泊サイトで気になる宿泊施設を見つけたら、SNSで画像を見まくり、よさげな写真が見つかったところを最終的に選んで宿泊するという流れになっています。ただ、それも若い人中心で中高齢層になるとそんなテクニックもないので相変わらず少ない情報量の中で宿を選ばざるを得ないですね。
ならば、東京に料理旅館専用のポップアップキッチンを作ってみてはどうでしょう。
首都圏周辺の料理自慢の宿から板さんが出張して、東京のポップアップキッチンでランチとディナーを提供。新規のお客様を獲得するチャンスを作るというわけです。
東京には全国の都道府県のアンテナショップが集まっていますが、最近は郷土料理を提供するレストランも併設されるケースが増えています。ただ、特定の旅館のお料理をふるまってくれることはまずありません。
東京で自慢の腕を振るい、いつか旅行にお越しいただき、宿泊しながらゆっくりを楽しんでいただくようにお誘いできる場があるとうれしいですね。お客様にとっても自分の好みに合ったお料理がいただけるとわかって宿泊できるとなると少々値段が高くなっても納得して行けます。写真だけで選んであとから後悔したくないですよね。
長年旅行会社にいてよかったことは、日本全国どこに行ったとしても実際に行った社員の体験談に基づき、失敗のない宿が教えてもらえたことです(笑)
※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
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