地域の日常に都会のデザインを取り入れると新しい価値が生まれる 71/100

新規事業100

通年観光については、
イベントを引き延ばして通年観光へ 39/100
においては、一発屋さん的なイベント観光を引き延ばして、なんとか食っていける期間を延ばせないかと記事を書いてみましたが、ひとつのイベントを1年に引き延ばすのは大変。という結論でした。
通年観光=地域の日常を旅する新しいカタチ 58/100
では、通年観光は旅行者が町の営みに参加すること。として、地域の提供する価値は地域のこと、仕事のことを日常のままで話し、伝え、地域のことを知っていただくこと。という方向性でまとめ、
通年観光=地域の日常を旅する新しいカタチ その2 62/100
においては、地域の日常体験は旅行者からすると、日常生活でできないこと、できなかったことにチャレンジすることで、地域の人たちとのコミュニケーションができ、その地域とのかかわりが楽しくなるという従来の観光では味わえなかった体験を提供することになると書きました。

今回はもう一歩具体的に考えてみます。

「地域の日常を旅する」(ordinary = everyday life)と書いてきましたが、他人様の日常にいきなり入るのは抵抗感がありますし、受け入れ側にも準備が必要。まあ、当たり前ですが。

なぜそう思うのか?
それは「商品になっていないから」です。
つまり、友人や親せきのような間柄であれば、日常にいきなり「入っていいいよ!」となりますが、お金をいただく観光コンテンツとして成り立たせるためには、それなりに準備が必要となりす。

お料理を一緒に作るにしても
・衣装(かっぽう着とかエプロンとか、その地域っぽいもの)
・ゲスト用の道具(調理器具、食器など、清潔感のある状態に)
・食材(地元の食材、調味料)
・レシピ、解説資料
など、商品として成り立たせるために最低限そろえておく必要があります。

これまでの着地型商品とか体験プログラムとかでは、ここまでの「最低限」でやってきたので、何かものたりませんでした。なにが足りないのかなぁといろいろ考えてみましたが、おそらく足りないのは「演出」じゃないかと。

お料理でいえば、「映える盛り付け」
みんなでわいわいたのしくお料理をして、家族のような感じで出来上がったお料理をカッコよく盛り付けるとそこから撮影会が始まり、さらに盛り上がるし、画像の交換からSNSでのシェアへと広がります。さらに盛り上げるためには「映える盛り付け」だけでなく、食器もかわいく、テーブルクロスもオシャレに、そして、撮影しやすい場所も準備するなど、ゲストがスマホを使って日常的に楽しんでいるシーンを想定してその場を作り上げることが大切です。
どのように演出をしたら、都会から来たゲストが喜んで参加してくれ、写真や動画をSNSでシェアするだろうかを徹底的に考えた方がいいですね。

ここで考えるポイントは、商品を提供しているホスト側が持っているものを充実させるだけでなく、ゲスト側が持っているもの=ここではスマホを商品の中にうまく取り入れることです。つまり、「ゲストの日常の楽しみ方」までを取り入れて楽しんでいただくということまで考えて準備すること。そして、その時間をホストとゲストが一緒に共有するコトが大事ではないでしょうか?

ついつい、日常の段取りでササっとごはんを作ってパパッと食べましょう、だけでは記憶に残りません。
共有した時間を最大限楽しんでもらい、ゲストが参加し、盛り上がったという「記憶」とゲストの持っているスマホに残る「記録」がたくさんあればあるほど、喜んでいただける。その繰り返しの中からこそ、「日常を旅する新しいカタチ」が見えてくるのではないでしょうか?

できれば、このような商品の価値づけは、地域のホスト個人に任せるのではなく、都会のデザインを知っているプロのディレクター、デザイナー、ファッションコーディネーター等がチームになってサポートして作り上げられると強い商品・サービスになると思います。

※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
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