「見る」、「食べる」、「遊ぶ」
昭和の時代の旅は、まだ行ったことがない、見たこともない知らない世界へのあこがれが動機でした。
♪知らない町を歩いてみたい、どこか遠くへ行きたい♪
旅の長寿番組「遠くへ行きたい」は、なんと55年たった今でも続いている。
番組名だけでも旅へいざなわれているようで、ついつい毎週日曜日の朝に早起きしてみていた記憶があります。
今になって思うのですが、「遠くへ行きたい」は知らない町を歩いてみるシーンだけでなく、必ずその土地の人との出会いの演出がセットされていていたなぁと。日本がいくら広いとはいえ、いい景色を見ながら、歩いているだけでは飽きてしまいますよね。知らない町をあてどなく歩いているとたまたま訪ねた畑やお店や工房に素敵な人との出会いが待っている。そこでの出会いのストーリーや演出が視聴者にはその土地の印象として残る。
「ああいう感じで土地の人と偶然の出会いを楽しみ、一緒の時間を過ごせると旅の楽しみは増えるだろうなぁ~」
しかしながら、単なる偶然ではあのような素敵な人たちとの出会いは実現しない。番組の構成作家やスタッフがしっかりと地域をリサーチしなければできないことである。いざ、旅に出ると、道中いろいろな人の横を通り過ぎるものの、会話のきっかけはなかなか訪れない。少し話はしてみても、自分と相性のいい人、また会いたくなる人と偶然出会う確率はとても低いと気づかされる。
一方で、地域の知人や友人に会いに行くと、地域にはいろんな人がいることがわかる。
あれっ、そういえば、これまで友だちを介して地域でで出会った人たちは自分にとって、ユニークで、とても刺激をもらえる存在であることが多いなぁ。
もしかすると、友だちの友だちと出会う旅が最強なのではないか?
私のことを知る知人や友人は私のプロファイルをもとにフィルタリングをして最適解を提案してくれる。
「あの人に会わせてみよう」「きっと君と気が合うはず」「同じような趣味なんだよね」
そこで出会った人は出会った場所とともに忘れられない記憶として残っている。
♪愛する人と巡り合いたい、どこか遠くへ行きたい♪
♪愛し合い 信じあい いつの日か幸せを♪
「遠くへ行きたい」の2番の歌詞は出会いを求めているんですね。
簡単なことではないかもしれないが、何度も何度も会いたくなる、旧知の仲として受け止めてくれる、そんな新しい交流のきっかけが旅ナカにあればうれしいものだ。そんな交流が成り立てば、そこは旅先の遠くて知らない町ではなく、いつでも行ける縁のある場所へと変わる。
そんな個人の趣味趣向を拡張できる旅を「会える旅」としてみる。
「会える旅」とはどんな旅なのか?考えてみました。
たとえば、鉄道ファンが地方ローカル鉄道沿線に住む地域にめちゃくちゃ詳しい鉄道ファンと町を巡るとか、建築巡りが好きな人がその土地の建築大好き建設会社社長と一緒に地域の名建築を訪ねるとか、日本酒好きの人が地域で地酒専門の居酒屋さんをやっている店主と酒蔵を巡るとか。。。
少しビジネス寄りになりますが、観光の仕事をしていると自ずと地域活性化や地方創生の仕事をしている人との出会いが増えるが、それもまた志が同じ人たちとの出会いですね。
ある意味、「エリアを超えて同じ界隈にいる」人たち同志が友だち感覚で結びつく感じに近いのかも。
これまでは観光といえば「ガイドさん」でした。地域の歴史や文化を勉強して、観光スポットを案内してくれます。その町に始めてきた人たちに町のことを伝える大事な存在。目的が観光であれば「ガイド」となりますが、「会える旅」では、地域に同じ界隈の仲間を出迎える「ホスト」の存在が必要となる。
まとめると、提案する新商品は、「趣味趣向を同じくする旅行者と地域住民が自然な形で『つながり』、パーソナルで心に残る体験を創造する」ことが核となるパーソナルでちいさな旅。これは、従来のパッケージツアーや個人旅行では得られにくい、深い交流と文化理解を促進するものとなります。「ホスト」の個性に重きを置いたその地における楽しみ方や過ごし方を具体的に提案することにより、ゲストとのマッチングの精度を高めると同時に、オフラインでの質の高い交流機会を創出することで、旅行の新たな価値を定義する。
そんな旅が「会える旅」といえるでしょう。


