新潟県の南に位置する上越市で仕事をすることが多いのですが、この地で有名なのは上杉謙信公。春には百万人の観桜会といわれた夜桜の美しい高田城址公園で有名です。そんな上越で観光の活性化の話をしていると出てくる言葉は魅力的なスポットが「ない」とか「たりない」とかの声。全国どの町に行っても同じような声が聞こえきますが、それに対する明確な答えは「ない」ですね。
そんな堂々巡りの話ではつまらないので、人が集まる場所を作っちゃいましょうという取り組みの話。
上越の鉄道の歴史は古く、かつては信越本線が通っていて日本海側の鉄道輸送の大動脈でした。時代と共に貨物輸送が減少し、トラック輸送にスイッチしていくと同時に個人の移動もマイカーへとシフト。地域の鉄道需要が年々減少している中、2015年の北陸新幹線の長野 – 金沢間開業により、上越エリアの旧信越本線部分の役割は終わり、第三セクターの鉄道会社「えちごトキめき鉄道」が誕生しました。地域における鉄道の役割は減りつつも、市民や学生の生活の足としてしっかりと残さなければならない。足りない部分を観光で補う取り組みも活発です。
今回、そんな取り組みを横目に鉄道会社と地元の観光事業者が集まり、「鉄道に乗らなくても鉄道を見ること自体が観光になるのでは」という着想から、町と自然の中を走るローカル鉄道の魅力を伝えるためだけの「鉄道を見る場所」を新たな観光スポットとして作ってしまいました。
鉄道沿線の絶景写真が撮れる場所にデッキを作って、安心安全に撮影できる場所を作る。
これができることでいままで一部の鉄道ファンしか知らなかった撮影スポットがみんなの集まる場所になる。
人が増え、滞在時間が延びれば消費も生まれる。
そんな姿を目指してできたのが「谷浜鉄見デッキ」https://maps.app.goo.gl/QbbzaoQsicyNpS1t8
近くにこのプロジェクトで設置した自販機があるのですが、思いのほか好調とのこと。
これもデッキの効果なのでしょうか?
資金はクラウドファンディングで集め、地元の方にお手伝いいただき、地主さんから設置許可を取り、デッキを作り上げるという取り組みでしたが、鉄道を見る場所だけでなく、もっといろいろなところにみんなが安心して撮影ができるといいなぁという場所はあるはず。
とてもいい場所なんだけど、一部のファンが迷惑をかけてしまっているとか、進入禁止になってしまった場所とか、ごみ問題が発生しているとか、交通事故が心配とかの場所にぜひポジティブに楽しんでいただくためにこういうスポットを増やしていきませんか?
観光スポットがなければ作ってしまいましょう♪