学習(ラーニング)と休暇(バケーション)を組み合わせて「ラーケーション」。日本らしい取り組みですね。平日に『家族や保護者と一緒に校外学習を行うこと』を目的とした休みを取得できる制度として、令和5年9月から愛知県内14市町に導入されました。この4月以降も全国で取り組む地域が増えているようです。
□ラーケーションを利用した場合、学校は欠席にはならない。
□ラーケーションを利用した後、体験したことや学んだことを活動記録として学校に提出する。
□原則、ラーケーション実施の1週間前には届け出する。
子どもの学びにつながる旅行であればOK!定められたプログラムが旅ナカにあるわけでもないので、結構気楽に取得できそうです。
愛知県では名古屋市を除く市町村が参加しているようですが、名古屋市としては「旅行に行けない子どももいる」ということから、取得できる家庭と取得できない家庭で差別を助長する、不公平感が生まれるという理由で参加を見送っています。一方で大分や沖縄県の離島では、「土日などが繁忙期となる観光業・サービス業で働く人が多く、市は週末などに家族が一緒に過ごす時間が限られる」という地域事情をふまえての導入ということです。できない理由をつぶしていくのがいいのか?できることにより効果に期待するのか?新しいことをやるときにはこんなものでしょう。のちにほとんど全国で導入されてしまえば、名古屋市のような懸念は何だったのかとか、言われるんでしょうね。
ラーケーションが広がれば、
・保護者も平日休暇取得がしやすくなる
・親子の学びにつながる
・平日の観光需要が高まる(オーバーツーリズム解消に資する)
いいことが多いと思います。
旅ナカラボの提案としては、以前に
「旅ナカでの学びの場」は新規事業領域として期待できるということで、こんな記事を書かせていただきました。
新しい学習塾のあり方 1日こどもを預けられる滞在型旅ナカ学習プログラム 50/100
アウトドア体験+おさらい座学ってありですよね! 72/100
今後平日に、ラーケーションという名目で家族旅行が増えていくとすれば、親としては「すこしでも学びにつなげたい」「なにかいいプログラムはないか」と間違いなく検索することでしょうね。今までは「観光地名+遊び」で検索していたのが「観光地名+学び」で検索されるわけです。「目的」が変わるんです。
はい、これに気付いて動き出している人の勝ちですね(笑)
ということで、ラーケーション導入エリアの旅行会社、着地の観光事業者のみなさん、大チャンスです。
現在実施している体験プログラムを教育テイストに味付けするだけでも大いにチャンスは広がります。
・学習目的
・学習プロセス
・成果物
・学びのまとめ
こんな感じのワークブックを作って、そのプログラムに参加していただくだけでもいいと思います。
もともと体験プログラム自体が「学び」でできていますから、それを小学生でもわかりやすく「見える化」しておけば新しい学びのプログラムとして販売できるはず。
体験プログラムの事業者のみなさんにとっても「単なる体験」ではなく「学べる体験」へと進化させるとてもよいきっかけになると思います。
ラーケーションの広がりは平日の観光地にとって良い効果をもたらす期待感にあふれていますね。