ここ数年で旅館・ホテルなどのサービスに新しく加わったものに「AIチャットボットによる施設案内・観光案内」があります。忙しい宿泊施設のスタッフに代わって、簡単な質問にはスマホでLINEするように一問一答形式で質疑応答してくれる仕組みです。
チェックアウト時間を知りたい、アメニティの有無、Wi-Fiの使い方、風呂の場所とかの館内で知りたいことを質問できたり、宿泊施設ホームページではアクセスや予約方法、割引情報、周辺観光地等の質問に答える機能です。今のところ、AIチャットボット側が準備した一般的な宿泊施設で頻度の高い質問に対して、導入する宿泊施設側が回答を記入するところから始めているようです。
導入メリットはメーカーのホームページを拾うと
・24時間365日アクセス可能
・即時回答
・スタッフのコスト削減
・滞在中、ゲストのクレームを収集する能力
・売上増加
・多言語での対応が可能
ということのようです。
出張先でなんどか試したことがあるのですが、事前に仕込んだFAQ的なものはなんとか回答になっていますが、普通にしゃべり言葉で入力しても理解してくれなかったり、周辺観光地とか飲食店とかとなると連携している観光情報データベースが不十分だったり、宿泊施設が全く情報を入れてなかったり、なかなかほしい結果は得られませんでした。それでも導入施設が増えているところを見ると、宿泊施設サイドとしては深夜でも予約手順のサポートができる点、そして多言語対応ができる点、つまり外国人からの質問を減らすことができるというところにはメリットがあるのかもしれませんね。
この手のしくみの問題として、こういったAIチャットボットに限らず、スマホに装備されているsiriや「OK Googleみたいなヤツ」、はては検索エンジンまでそうだと思っているのですが、質問をするときにみなさん「妙に機械のことを気遣いしすぎてませんか?」
未だAIは幼児並みなので、質問を端的に、無駄な形容詞は使わずに、「1+1=2」くらいはっきりと答えが出るように気を使って質問しますよね。
そのおきてを破るとろくな答えが得られないのが現実かと。
先日、テレビ番組で梅沢富雄とダウンタウン浜田が若手芸人と検索スピードを争うという番組をやっていましたが、検索キーワードの入れ方が的確だと歳をとっていても、若者より早く検索結果が得られるというオチでした。同じ検索エンジンを使っているわけですから、検索したいモノの特徴を言語化する能力やその商品に対する知識、教養があれば、それにぴったりのキーワードが出てくるから、人より早く結果が得られるというわけです。
つまり、検索エンジンやAIは進化していますが、まだまだ使う人の能力に負う部分が大きいということです。
これからほしいAIのサービス「勝手に会話に割り込んでくるAI案内ボット」
カフェのテーブルに20インチくらいのTVモニターが置いてあるとします。
ともだちとそのモニターを挟んで、「次、なにしようか」「どこ行こうか」「こんな店ないかな」とか、インスタやTikTokみたり、YouTubeで検索したりしながらしゃべっているときに、その会話の中にでてきたキーワードや文脈をもとにおすすめの観光スポットやお店をモニターに映し出してくれるようなサービス。
簡単に言えば、旅行会社の社員(TVモニター)が旅ナカのカフェでともだち同士の会話に聞き耳を立てて、会話の中に情報提供しながら割り込んでくる感じのものです。
個人情報がどうのこうのというのはいったん忘れてください(笑)
ようするに、こちらが機械に気遣いすることなく、自然に会話している言葉に対して、「しゃべっている人のプロファイルを把握して」「文脈を読んだうえで」そこで会話している人たちにとって最適な情報提供ができるとうれしいな、ということです。
最近はGoogleも会員の検索履歴を読み込んでいるので、同じキーワードで検索しても、人によって多少は違う検索結果になっているようですが、それでも60歳のおじさんと10歳のこどもが同じような検索結果になってしまうのには、いささかプライドが傷つけられているという話でした。
※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
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