最近、ますますCMが増えているのが就職サイト、転職サイト、アルバイト求人サイト。
少子化による求人難に加え、かつてより労働力の流動化が進んだことによるミスマッチ退職の増加の傾向に加えて、コロナの影響により「きつい、汚い、危険」といわれる3K業種から外国人労働者がいなくなってしまったことによる人手不足。
以前は紙媒体で求人情報を探して、一件一件電話でコンタクトをとっていた時代とは大きく変わり、スマホアプリで簡単に探して、オンラインで応募すれば、面倒な会話もなく、面接日まであっという間にセットされます。その分、リスクは企業側にもあり、手続きが簡単なゆえ、当日待っていても来ない、いわゆるノーショーも織り込んで求人サイトを使っている状況です。
求人サイトの多くは成果報酬型で企業から紹介手数料を貰ってます。アプリを通じて来た求職者に企業を紹介し面接させ採用されたら企業から紹介手数料をもらうことになります。紹介手数料モデルの場合の報酬は結構な額で、契約者ひとりあたりの月収の1~2ヵ月分といわれています。indeedなどは広告収入で成り立っており、有料広告購入企業の求人が上位表示され、ワンクリックあたりの報酬を企業からいただきます。
今や求人機会は増えるし、求人コストは上がるという悪循環となっており、どの企業もいかにコストパフォーマンスの高い求人活動ができるかが人事担当者の大きな課題です。
地域においても求人難は喫緊の課題となっており、上記のような課題に加え、地域ならではの悩みとして、こんな話を聞いたことがあります。
「営業職が敬遠されがち」。
地域で長く過ごすためにはプッシュ型で営業するスタイルは「知り合いにも頭を下げなければならない」ことから、地元の人たちにはどうもやりにくい、動きにくいということで敬遠される業務のようです。ですから、渉外的な仕事でも新規開拓の業務がなければ集まりやすいが、バリバリ稼ぐことを求められると集まらないという実態があるので、こういった業種は域外から募集をかけたいとも言ってました。
ということで、地域においては求人難なうえに独自の悩みもあるし、地元の求人媒体もあまり機能しないという状況にあり、今でも、そして今後とも求人、人材確保は大きな課題となります。
そこに観光目線としての提案です。
産業観光とは一般的によくある、社会見学だったり、工場見学だったりするものです。
一番軽いバージョンは「お菓子工場見学」「かまぼこ工場見学」「めんたいこ工場見学」等、すでに観光ルートに組み込まれて無料で見学、でもおみやげは買ってね!みたいな感じで成り立っていますね。ほかにも伝統工芸の工房見学、陶芸工房見学、魚市場見学など、地域独自の産業をよく深く知ってもらうことと販売につなげる目的で見学する機会が多く存在しています。
旅行者・消費者は完成した商品は知っていますが、製造工程やそこに隠された技術などは知らないし、見たことないですから、そのプロセスを楽しむことができます。テレビでも工場見学系の番組はよく見かけますが、楽しく見ることができます。
就職や転職の時に「工場見学」ってあまりやらないですよね。
大企業ですと何万人とエントリーしてくるわけですから、そんな対応はもちろんできない。
では地域の企業ではどうでしょう。
大企業に若くて優秀な人材を持っていかれ、なかなか地域には残ってもらえない。
募集をかけてもなかなか面接までつなぎきれない。
もっと自社のことを知ってもらい、コミュニケーションができればその壁を突破できないでしょうか?
着地型体験商品として、地域の企業で産業観光として「一日体験で働いてもらう」ツアーです。
見学だけではちよっと弱いので、求人している企業に一日体験入社できるツアーを作って募集してみてはいかがでしょうか?
・60歳で定年、移住してもいいなと検討している人
・移住先を探しているが、仕事にめどが立たないので戸惑っている人
・現在、転職を考えている人
・自分にはできるかどうかわからないからためらっている人
に向けて、地域の暮らしの良さと仕事を知ることの安心感を訴求するチャンスを提案します。
往復交通費・宿泊費などの半額を企業側が負担することで、ツアーとしては激安でセット出来ます。
一日一緒に働いた後は一緒に晩ごはんを食べてもいいですし、ツアー終了後にもコンタクトがとれる。
人間関係ができれば、お互いに安心して検討ができますよね。
もしかすると大手求人サイトの成果報酬の半額程度で人材確保ができる可能性を感じます。
これもひとつの通年観光。地域の企業の日常を見せることでかかわりを強くする。
こういう商品を積み重ねることで、地域とかかわる人の数が増えていくといいですね。
※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
一緒にやれそうなときはぜひ声をかけてください。
100までやります♪