「読めない」「書けない」「覚えられない」そして「検索されない」キラキラネーム

アイディアメモ

楼 雅 鳳 瑠 璃 扇 翠 碧 朧 棲 栖 霧 癒 燈 暁 郷 麓 藍 蒼

1980年代後半から1990年代はじめのいわゆるバブルの時期には全国的に投資マネーが行き先を求めて走り回っていましたが、それは大都市からリゾート投資へと一気に向かいました。当時は、どんどんお金が借りられましたから、明るい未来に向けて旅館・ホテル建設ラッシュで客室も宴会場も建て直し、増築、改築が進みました。その後のことはみなさんの目の前で今起きていることなのでさておき。

この時期に生まれたのが「旅館キラキラネーム」

高級感の演出、他の施設との差別化、別館・新館のプロモーション等、さまざまな理由があったのでしょうが、とにかく旅館の名前がゴージャスに彩られていきました。冒頭の漢字は「多頻度出現難読漢字」。平均字画数15くらいでしょうか?加えて、「○○の宿別館○○」みたいな施設名となり、どんどん長くなって、電話に出る施設のスタッフも施設名を名乗るだけで舌を噛みそうでした(笑)

でもこの時代はまだ地方の旅館は都会の旅行会社に販売をゆだねていた時代なので、数ある旅館のなかから厳選されて旅行パンフレットに掲載されるために華やかなネーミングや素敵な外観写真があれば「施設名の漢字が読めなくても」よかったのかもしれません。加えて言えば、この時期はまだまだ団体旅行が大半だったので個人客へのプロモーションはまだ必要がなかった時期とも言えます。

そして、ネットで検索する時代になって困ったこと

この問題は1990年代後半になるといよいよインターネットが普及したときに「少し表面化」します。
今までは旅行パンレットに「厳選された20軒の旅館」としてすでに絞り込まれた施設が並んでいたので検索する必要はなく、掲載されている中から一つを選べはよかったのですが、Yahoo!やGoogleの検索で大変なのは利用者が自ら「自分の知っているキーワード」を入れないとほしい情報が出てこないという問題が発生しました。※実はこのこと自体を問題だと気づいている人は案外少ないです。

検索エンジンはすべての人に開かれたプラットフォームであり、だれでも必要な情報が簡単に見つかる平等なサービスのように見えて、実は「知らない人はちゃんと情報に行きつかない」ものなのです。
だから、「テレビで見たあの旅館、素敵だったよね~」「行ってみたいね~」となっても、「読めない」「書けない」「覚えられない」キラキラネームは「検索されない」ということになっているのです。

でもなぜ「少し表面化」という表現を使ったのかといいますと、インターネットで宿泊商品を探すのは主にYahoo!やGoogleを使って「施設名」を検索するのではなく、「○○温泉」「旅行先のエリア名」で絞り込んで旅行会社やオンライントラベル(OTA)のホームページで検索するのが常だからあまりみんな困っていない。「○○温泉」まで絞り込んでもらえれば、あとはその地区の宿泊施設が延々と出てくるので、施設名を知らなくても予約までたどり着いてくれるんです。だから「問題と気づく人が少なかった」んです。

現在、OTAや旅行業者による他社販売率は7割弱を占め、直販・自社サイト販売率は3割程度。うち、自社サイト販売率はまだ10%程度といわれています。
アフターコロナの世の中で生き残るためにはこの間に傷んでしまった財務諸表の改善が急務。多くの宿泊施設の掲げる経営課題には自社サイト販売率の向上による販売手数料の低減が掲げられています。

「ひらがなでわかりやすく」がトレンドになるかも

自社サイト販売率の向上に向けては、まずはサイト訪問数、アクセス数を上げなければならない。
そのためには施設名で検索してもらわなければなりません。
ということで、やっておいたほうがいいことをご提案。

単純です。
読める施設名を伝えましょう。!

ホームページのタイトルやホームページの裏側に仕込んであるメタタグとかに必ず「ひらがな」「ふりがな」の施設名を入れた方がいいと思います。SEO上の効果も高いと思いますが、とにかくわかりやすく伝えることで「わからない」「読めない」という理由で離脱してしまうことを防ぐ方法として必要かと思うのです。このことは宿泊施設名だけの話ではなく、地域名とか温泉名称にも言えることです。短縮名称でもニックネームでもいいかもしれません。

これから訪日外国人が戻ってくることを思えばなおさらですね。

「スマホで検索すれば何でも出てくる時代」というのは本当でしょうか?
少し疑いをもって見てみると集客のためにやるべきことはもっと見えてくると思います。