新たな旅ナカ体験コンテンツは「できる旅」 123/100

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旅ナカで出会った人、見たもの、体験したことって、あらゆることが非日常での出来事であり、初めての経験なので妙に自信がついたりした経験はありませんか?旅ナカでは日常生活では決して出会わうことのない人たちに出会い、テレビのスクリーンの中でしか見たことがないものを間近に見たり、普段は見ているだけのことにチャレンジしてみたりする機会が多いのですが、その行動を重ねているうちに達成感とか満足感とかが高まっているような気になりますよね。

どんな小さなことでも非日常の経験の中で「私にもできた~」と思える瞬間って結構幸せなのでは。
これが旅の魅力なんでしょうね。

近頃はスマホ片手にSNSで誰かの体験した画像・映像を参考にして、自分の好みに合った食事や風景、宿泊先を選んでやりたいことを決められる便利な時代。みんなの評価が集まって判断しやすくなっているので、旅の選択肢の中には「リスクが少ない」のが特徴です。ただし、すべてをスマホの中で決めて、評価が高いところ、人気の集まる場所に集中する傾向があり、だいたいみんな同じ体験になってしまうのは、はたから見ていて少し物足りないですよね。もう少し、現地での出会いや偶発性、直感的な行動、失敗も楽しめる余裕とかのエピソードが生まれ、それが共有されるようになると行動の幅も広がるのかもしれません。

これまでの「見る」「食べる」「遊ぶ」「泊まる」に加えて「撮る」要素が加わっただけでも旅の楽しみ方は大いに変化をしてきましたが、近年のツーリズムではそこに「体験する」という要素が加わりつつあります。
「加わりつつ」と書いたのは、そんなことを言われ始めてから10年以上たつような気がするのですが、一般の旅行者にもなかなか定着してこないようです。

私からすると「体験する」という言葉が幅広すぎて、旅行業的に商品としてまとまっていないような気がするのです。英語では日本でいう「体験商品」「体験プログラム」は、Tours and Activities というカテゴリーなのですが、長すぎてしっくりこないです(笑)

なんかいい表現ないかなぁ、とあれこれ考えていたら、頭の中に浮かんだ言葉が「できる旅」
「できる」というより、「○○できるようになる」というニュアンスですが。。。

「体験プログラム」を総称する言葉ではありませんが、旅するきっかけになる言葉としてはいいかも。
その理由は?

〇やったことがないことにチャレンジして「できるようになる」とうれしい
〇知らなかったことを「わかるようになる」とうれしい
〇旅ナカで出会った人たちと「知り合いになれる」とうれしい
など、日常から離れて体験すること、経験することにより「達成感」「満足感」が得られて、これから先の行動が変化(行動変容)する期待感が生まれるような旅の経験ができる商品群を「できる旅」(〇〇できるようになる旅)としてまとめてみたいなと思ったわけです。

海外の観光サイトで観光スポットを探すときには”sightseeing”とか”Pleces to go” , 体験とか食事とかを探すときには”Things to do” という言葉を使いますが、「できる旅」は”Things You Can Do”といったところですね。

「できる旅」(〇〇できるようになる旅)ってどんな商品なのでしょう。
〇スキルアップ系コンテンツ・・・取り組みの成果が見えやすい、成果物がハッキリとしている
〇知識向上系コンテンツ・・・初めて知ったことでも知識として誰かに伝えたくなる
〇趣味みつける系コンテンツ・・・まったく未経験でも、やってみたら楽しいと思える
〇コミュ力アップ系コンテンツ…知らない町で出会った人たちと交流が広がる

「旅の恥は掻き捨て」という言葉が「昔」ありましたが、今やスマホとインターネット、防犯カメラにより総監視時代ですから、無茶なことはできません。すぐにバレちゃいます。これからの時代の旅は、普段発揮できていないチカラを思い切って出し切る機会だと考えて、旅ナカはチャレンジの場となっていくといいのかも。

例えば、「上越できる旅(仮名)」では、
東京の小学生が夏休みに新潟県上越市に行くと「野菜が食べられるようになる」「山の植物の名前が言えるようになる」「川でヤゴをみつけられるようになる」「おいしいトマトが見分けられる」「おにぎりが握れるようになる」「田んぼの害虫を見つけられる」などなど、できることはいっぱいあります。
大人が旅すると「妙高山の絶景写真を撮影する」「町の和菓子屋さんにお菓子作りを教わる」「河原でロックバランシングに挑戦する」「地元の建築家に上越の町家について解説を受ける」「山で山菜の採り方を学ぶ」「寿司屋の大将から直々に握り方を教わる」など、いろんなチャレンジのキッカケを集められそうです。

問題はこれらのことがまだ商品化されていないこと。

なかにはほとんどお金をかけなくてもできることはあるのですが、大切なのは有料であれ、無料であれ、旅ナカでする体験により、参加した人がアップデートでき、アップグレードする感覚を提供したいということ。
「できる旅」のコンテンツをより多く集めて商品化することにより、元気がほしい人、もっと楽しい旅がしたい人は旅に出ればきっと明るい未来が待っているという世界観を提案したいと思っています。