トランスクリエイション⇒観光をアップデート

アイディアメモ

トランスクリエイションという言葉は翻訳業界で使われている言葉で、「翻訳(translation)」と「創造(creation)」を組み合わせた造語ですが、簡単に言えば単に言葉を置き換える「直訳」ではなく、翻訳に「意訳」を加えて理解をしやすくすることをいいます。

で、アイディアを一つ。

私たちが知らない土地に行ったとき、そこがどんな場所かも知らないうちに観光バスに乗っていろいろと見学して回って、観光ガイドさんからとうとうとその観光地にまつわる事件や人物の話を聞かされる。でも帰宅してから思い出そうとしても全く思い出せない。。。そんな経験ありますよね。

もちろん、旅行出発前に目的地についていろいろと調べて準備をしたうえで参加すればいいといわれればそうなんですが、それでも観光地にある案内看板やガイドさんの話は難しくてわかりにくいことがよくあります。

日本の観光地でいえば、「文久○○年に起こった○○事件で、当地の名士であった○○○○衛門が。。。」みたいな案内とか、お寺の案内板に至っては神代の時代からの由緒書きだったりして、ほぼ理解不能。ましてや興味がなければ全く記憶に残らない。

旅行者の立場からすれば、知らない土地の知らない話をいきなり言われてもわからない。
現地ガイドさんからすれば、毎日お客さんに話していることだから、特に問題は感じていない。
その場限りの関係性ですから、わからないことがあっても、伝わっていないと思っても、「まぁいいか」の一方通行で終わっているのかも知れませんね。

実にもったいないですよね。

そこでぜひやってほしいこと。
トランスクリエイション⇒観光をアップデート

古くから掲示されている案内表示のアップデート
何十年も前に作ったまんまの案内板が古ぼけた状態で、そのまま立っています。
看板だけは立派にリニューアルされていても、案内文は昔のまま。
地元の人たちでも今となっては説明ができないものも多いのではないでしょうか。

元号表記だけでなく、西暦も書いてほしい。同じ時期に日本的に有名な出来事や人物を比較情報として知りたい。難しい漢字にはフリガナを。できごとだけでなく、その結果起こったこと、その意義を解釈してほしい。
これらのことは外国人の受け入れの時にも課題となります。
その地に興味を持ってもらいたいのであれば、地元を基準に表現するのではなく、世界の中の日本、日本の中のこの地域という目線で今まで使っていた表現を「トランスクリエイション」してほしいと思っています。
そんなに書くスペースがないということであれば、QRコードとスマホを活用してほしいところです。

ちなみに5年前のリニューアル後、現在の小田原城の案内は若い人にも外国人にも、とてもわかりやすくなっていますが、まだまだ昭和から抜け切れず、できていない地域のほうが断然多いのが現実ですね。

よくわからないから通り過ぎてしまう。
誰も説明してくれないから、わからなくていいや。

そんな状態をひとつずつ解決していくことで、地域の滞在時間は間違いなく伸びるでしょうし、地域に対する理解が深まれば深まるほど、関係性はどんどんと高まる。滞在時間が伸びれば伸びるほど、消費額は増える。

あと「一時間」滞在してもらうためにも、観光表示のトランスクリエイションはきっと役に立つと思います。