城好きが集まる街を作る 38/100

新規事業100

小田原に引っ越して半年。
コロナ禍のど真ん中でこの町に来たのですが、去年の今頃からちょくちょく週末を利用して下見に来てましたから、おおむね一年間。首都圏から日帰りで来るにはちょうどよい距離にある小田原城にどの程度の観光客が来ているかを意識しながらウオッチしていました。
1年前、冬から春にかけては小田原城には訪れる人も少なく、よく晴れた週末でもポツポツと人が歩いている程度。夏休み期間中も子どもたちが増えたかなという気がするものの残念ながら大きく人は戻らず。ようやく人が戻ってきたんじゃないかなぁと実感したのは去年の11月以降。その後、今年に入ってオミクロン株が流行している中でも、週末は比較的観光客が多くなっています。
そして、この週末にグっと暖かくなったことも手伝い、昨日はとても多くの観光客が集まってました。
おそらくこれがもともとの姿なんでしょうね。

このように引っ越しの検討から、引っ越し、そして住み始めたこの1年、ずっと小田原城の寂しい姿を見てきたわけですが、そんななかでも確実に来ていた客層があります。
それは「お城好き親子」、パパと息子なんでしょうね。
全く人が歩いていなさそうなすごく寒い週末でも、デルタ株ピークの夏休みでも、お城好き親子はなからずといっていいほど何組かはお城を見学しに来ていました。TV番組「博士ちゃん」の影響かも。

小田原城は復元天守とはいえ、全国で7位の高さを誇る天守閣、関東では最も大きく、東京から最も近い天守閣のあるお城です。しかも6年前に耐震工事が完了し、天守閣内の展示も一新されてとても充実してますから、お城好きにとっては満足度は非常に高いと思います。
ですから、コロナ禍でも暑くても寒くても動いてくれる「お城好き」の聖地にしていくには小田原は最適ではないかと。

お城好きにも天守閣が好きな人、石垣が好きな人、戦国時代の歴史好きな人、地質学的なアプローチの人、お堀好きな人等、いろいろなタイプがいます。Web上にはお城好きのポータルもできていますが、アフターコロナではリアルの場所があってもいいのでは。

ただそういうマニアに人たちについてはボランティアガイドさんの一般的な説明では不満。
専門家や学芸員さんの話ならば結構食いつけるのですが、そうそう機会はない。
マニアな人たちの不満は、なかなかほしい情報にありつけないというだけではなく、「自分の持っている知識・情報を話したい」けど出す場所がない!というところもあります。

そんな人たちを満足させるには、ガイドさんを増やすのではなく、マニアな人が集まる場所を作ればよい。

・マニアな人同士で教えあうセミナールーム
・議論をしあうミーティングルーム
・トレーディングカードルーム
みたいな場所だけあって、自発的な集まりができ、いつも誰かがいるとなれば相当おもしろい場所となるでしょうね。

ビジネスとしてはレンタルスペースくらいかもしれませんが、マニアの集まりから生まれるビジネスってなんか期待できそうですよね。

アフターコロナの観光は従来通り観光客が増えれば入場料も増えて潤うという図式もあるでしょうが、いかにして地域に観光客を呼び込み、地域との関係性を深め、この地域に来る目的を作ってあげることにより、消費額を高めていくという取り組みも必要です。数も大事ですが、質というか、ネタというか、人を引き付けるコンテンツも大事かと思います。

ということで、地の利を生かし、マニアから専門家までいろいろな人が行き交う「日本一お城マニアが集まる町」として、名乗りを上げるという手はいかがでしょうか?
「城」を売りにしている町は早く名乗った者勝ちです(笑)