「今さらですが、インスタを観光集客に使った方がいいです」 SNSを使った観光プロモーション その2

(前回)SNSを使った観光プロモーションについて考えてみる その1

私の最近のインスタの使い方は、
マイページに表示されるストーリーをひととおり見て、そのあと自分がフォローしているみなさんの情報を適当にタイムラインでさかのぼっていく感じです。では、旅行情報の検索や旅ナカでのお店探しとなるとインスタグラムの利用者はどのように使っているのでしょうか?そして事業者としてはどうやって効果的な情報発信をしていけばいいのでしょうか?

Instagramが旅行情報検索に使わているといわれても

若い人たち、さらにいえば若い女性を中心に旅行目的地を決めるためのツールがGoogleよりもインスタグラムとなっている。ということですが、これをビジネスに生かすことができてますか?

多くの観光事業者の皆さんはすでにインスタアカウントを持っていると思います。
Twitterもやってるし、Facebookもやってる。といいたい方も多いはず。
しかしながら「集客に活用できているかどうか」となると課題は多いのではないでしょうか?

<事業者さんからよく聞く悩み>
・忙しくて更新できない
・何を発信すればいいかわからない?
・フォロワーが増えない
・集客につながっている実感がない

以上のような話は観光施設、旅館・ホテルの皆さんからよく出てくる話ですが、これはビジネスとしてSNSを活用している事業者すべての悩みです。この課題は掲示板(BBS)とか、ブログとかが世の中に出てきた時からずっと続いていますよね。

毎日でも情報発信ができる人、常にみんなにネタを振りまける人、短い文章でまとめるのが得意な人などなど、「発信力のある人」は世の中に数パーセントしかいないと思います。どんな人かというと、毎日Twitterにつぶやいてる人、Facebookで日々の出来事を発信する人が該当すると思うのですが、タイムラインを見ているとわかりますが、毎日ほとんど同じ人しか発信していません。それがだいたい友だちの数の数パーセント(3~5%)くらいでしょうか。

ということで大半の人は情報発信が苦手なんです。
だから、みなさん困っているんです。
仕事だからできないと困るといわれても天性の素質がなければなかなかできないんです(笑)

でも、どうしても仕事として大きな販促コストをかけずに情報発信がしたい、となりますと、最低限やるべきことを決めて発信するしかないと思います。「毎日一個投稿する」というルールを決めてもできないものはできないです。

では、観光事業者としてどのように対応していきましょうか?

今で来ていないことが急にできるわけがありませんので、ここでは「徹底的にマネる作戦を考えてみましょう。
作戦というほどではありません。御社のお客様が投稿した「映えてる」写真と同じような写真を投稿するところから始めればよいのではということです。パクリではありません。参考にさせていただき、マネさせていただくのです。

ヒント
●御社について投稿されている「映え」写真をマネてみる。
  目で直感的におもしろい、かわいい、かっこいいものといえば簡単ですが、実際に来訪されたお客様がどんな投稿をしているかを見れば、今まで投稿しているものとの違いがわかります。簡単に言えば、マネすればよいということですね。
●その「映え」写真を投稿しているお客様のその他の立ち寄りスポットもマネてみる
  「頼まれていないのにレビューを書いてくれるとてもとてもありがたいお客様」はきっと直前直後に立ち寄ったところにもレビューしているはず。御社のレビューだけでなく、その周辺の「映えてる」レビューは御社への導線ともなりますから同じスポットについて御社からも投稿しておくと閲覧者は増えるはずです。
●マネたネタの周辺のスポットを探して面的に展開していく
  お客様に教えてもらった「映えてるスポット」を起点に周辺の「映えてるスポット」を見つけて投稿すると面的に人気スポットが広がっていきます。

ここまでやってみると、少し前まで御社の外観やカメラマンの撮った写真しか載っていなかった御社のインスタアカウントの映えが大きく変わっていることに気がつくでしょう。お客様に教えてもらえるのもSNSのいいところですね。

インスタグラムの検索で「トップ」と「Reels」をチェック

インスタで「#鎌倉観光」「#箱根旅行」で検索してみました。

さらに一歩進めるためにやっておくべきことを考えてみます。

事業者さんがインスタを使った投稿をスタートするときに必要なことは「#(ハッシュタグ)」をどうするか?自社の社名とかエリアの名前もありますが、いろいろと検索して投稿数が多い「#」を見つけて投稿するように心がけましょう。

「#観光地名」で検索すると上の画像にあるような検索結果のページが出てきます。
そこではどんな戦いが繰り広げられているのでしょうか?

その1 トップの検索結果の上位には「人気投稿」が現れます。
人気投稿の特徴としては、「まとめ記事」風の投稿が多いことがわかります。
それと「デート」「カップル」向けのタイトル、そして、「3選」とか「5選」で手みじかにまとめた記事。写真をそのまま投稿するのではなく、正方形の写真の上にテキスト情報をのせてアイコンとして利用している。というのが特徴です。
アイコンの仕上がりを見てみるとちょっと画像処理のソフトが使えるレベルの仕上がりですから、インスタグラマーさんの小遣い稼ぎ的なものかもしれません。
とはいえ、常に検索上位にいるので閲覧数が非常に多いですから、あなどれません。
短期勝負が必要な時には広告費を支払って掲載してもらうという手もあります。

ここでは、検索上位の投稿にはどんな「#(ハッシュタグ)」が使われているかをチェックして自社のアカウントにも採用しておきましょう。

その2 「最近」のタブは「分単位」でアップデートされています。
こちらは従来のインスタっぽい検索結果。
主に旅ナカで「映える」写真を撮ってアップロードされたものが延々と出てきます。
投稿ごとに投稿してからの経過時間が「分単位」で表示されますので、気になる場所の「今」が見つかるかもしれません。ただし、Twitterとは違い、設定次第で画像に緯度経度情報が載ってしまう可能性があるため、即時アップロードすると場所がわかってしまうリスクがあります。それがわかっている人は時間をおいて投稿するでしょうから、案外、表示されて時間はあてにならないのかも。

インスタグラマーと呼ばれる人たちは、自部の投稿が何時くらいに読まれているかも計算して投稿しています。旅行の検索でいえば、ランチタイムや週末の夜あたりによく閲覧されているのではないでしょうか。そのタイミングに合わせて「最新情報」を投稿するといいかもしれません。

その3 Reels(リールがやばい ついつい見てしまうのがこれ
観光とか、旅行で目的地になにがあるのか、どんな宿がいいのかをいろいろと悩みながら検索するときの決め手となるのが、最近では「動画」ですね。YouTubeの動画でも検索することはあるのですが、大半は行くところが決まってからもう少し具体的に知りたいときに使います。妙に説得力のあるインスタのリールは「意思決定」に結構向いているのでは。
しかも、みなさん編集が格段にうまくなっていて、最長90秒の決まりの中で、とてもコンパクトに観光地の特徴やいったところの映えるものをギュッとまとめてます。気に入らなければ上にフリックするだけで次の動画が見れるので、エンドレスに見続けてしまいます。結構プロの手が入っているような気がするのですが、まとまりがいいので信頼度が高い情報と思えるというメリットがあります。

いきなり90秒の動画を投稿するのは無謀。
10秒でもいいので、一番映えるシーンだけでも投稿してみるところから始めましょう。

以上、このあたりに注目して投稿に慣れてくると集客に効果が出てきそうですね。
人気の投稿については何度も繰り返し見て、何を伝えるべきかを考えてみましょう。
当然、すでにやっている事業者さんもありますが、まだまだ参入余地はたくさん残ってます。
なぜなら、インスタはタイムラインで情報を消化していくものですから、一回アップすればいいというものではありません。まめに投稿を繰り返して閲覧数、ハート、フォロワーを増やすことで、どんどん集客しやすくなると考えた方がいいです。

数字で成果を確認できるのがおもしろい

日々の発信が、結果として自社サイトでの予約拡大につながれば、「人手が足りない」という言い訳もなくなることでしょう。(しかも無料で)
日々のページビュー、フォロワー数、レビュー数をずっと意識して追いかけていれば必ず数字に表れるのがデジタルのいいところ。SNSで販促・プロモーションをDXできますね。

他にも、SNSはネットワークですから、エリア全体で相互連携するとか、移動が伴う旅行ならではの位置情報・地図情報を意識した投稿であるとか、できていないことをつぶしていけばたくさんやるべきことが見えてくるはず。おそらくこの位置情報・地図情報を活用したインスタ集客攻略法がこれからさらに面白くなっていくような気がします。投稿する事業者、投稿するお客様、フォロワー、周辺の事業者のアカウント、そしてそのフォロワー。。。これが網目のようにつながり、広がるとすごいメディアになる予感がしています。

こうやって、SNSの切り口から自社サイトのプロモーションをもう一度考え直してみると、新しい商品やサービスづくりのヒントになるかもしれませんね。

つづく