ここ数年で全国に広がっている不思議なこと。
春先になったら郊外に菜の花畑が多くなったと思いませんか?
桜の季節にちょうどぴったり合わせるかのように黄色のじゅうたんが広がっている光景をとてもよく見かけるようになりました。同じように秋にはコスモスもいろいろなところで見かけられるようになりましたよね。
調べてみたところ、主には「遊休農地」対策のためのようです。
空き家問題同様に全国で農家の高齢化と後継者不足による農業人口の減少による遊休農地、放棄耕作地といった問題が広がっています。以前は農地として作物の栽培が行われていた土地でも、働き手が少なければ土壌の状況や立地条件が悪いところから使われなくなり、遊休農地化が進んでいるようです。
また、一度耕作をやめてしまうと、再び農地として作物を栽培することは難しくなるため、そのまま耕作放棄地化・荒廃農地化するという悪い循環になっています。そんなこともあり、2017年農水省は遊休農地を明確に指定し、少しでも減らすために、作付けの意思を表明せず、自ら耕作を再開しないなど、遊休農地を放置している場合、固定資産税額を約1.8倍にするという増税策を開始しました。
耕作とは「土地に労費を加え肥培管理を行って作物を栽培する」ことという定義のようですから、遊休農地とされないためには「作付け」をしなければなりません。そこで、地域としては、農地の有効活用等として菜の花やコスモスなどの景観作物の栽培を行なうようになってきたようです。
おそらく、税金が上がってしまう額より菜の花のタネをまいて育てるほうがお金も手間もかからず、お得なのかもしれません。
そのような事情があったとしても、われわれ観光客からすれば、2月から4月にかけての寒い時期に郊外をドライブすると畑一面菜の花が植えられ、春を感じてウキウキさせてもらえるのは、とてもありがたいことですよね。
ただ、菜の花もコスモスも「食べられるものではないのでは」と。
もちろん、アブラナを栽培している場合は菜種油の収穫ができるので「食べられる」ものもあります。
でも多くは観賞用で育てられ、そのままたい肥として使われたりするようです。
もとよりコスモスは食用ではありません。
春は菜の花、秋はコスモスで一年中観賞用の畑となっているケースも多いようです。
そこで思いついたのが「貸農園」のこと。
遊休農地に「作付け」をすることで、農地を有効活用するという観点からすると都市郊外で最近広がっているのが、「貸農園」ですね。市民農園だけでなく、収穫物が毎月家に届くサブスク型の農園など、従来の自治体主導の農園ではなく、民間事業者がアプリなどを使ってビジネス展開する事例が増えてきました。なかには貸し農園の事業だけでなく、カフェを併設したり、バーベキューパーティを開催したりするコミュニケーション型のサービスまで展開が広がっています。
「貸農園」はほとんどの皆さんが「農園」だけに「口にできるもの」を育てていますよね。
種をまいたり、苗を植えたりして、収穫まで育てる楽しみがあるし、自分で育てた野菜や果物はどこで売っているものをおいしいですから。
でもそういえば、「庭」とか「花壇」とかを貸してくれる場所って聞いたことないなぁ。と気がついたのです。Googleで検索しても出てきません。
ということは「ない」のかもしれません。
何が理由でないのかわからないですが「庭がほしくてもない」「もっと大きな花壇がほしい」「自分で作った花畑をみてほしい」みたいなことを思っている人って多いような気がしませんか?
自分の庭でお花を育てて自分だけで楽しむより、みんなに見てもらいたい人も多いはず。
そういう場所って「貸農園」ではなく、「レンタルガーデン」として成立できるのではないか?
「作物を作るわけではない」けど、「作付け」はする。
菜の花やコスモスのように「作物ではない」けど、遊休農地に作付けすることで農地として生き返る。
という解釈ができるならば「レンタルガーデン」も遊休農地の活用策として面白いのではないでしょうか?
花づくりの好きな人たちが集まって、自分の庭づくりを競い合い、畑だったところをお花畑にしてくれる。お花好きが集まって新しいコミュニケーションができるって素敵ですよね。
それでも「作物」であることにこだわる必要があるならば、「花卉栽培」として育てたお花をレンタルガーデン併設の直売所で販売できるようにするというでもあるのでは。
地域にとっても、週末ごとにお花の世話をしに来てくれる人が増え、交流が増えるという好循環が期待できますし、2地域居住、移住定住にもつながる期待も持てますね。
野菜じゃなくてもお花づくりで十分楽しめますよね~
※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
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