次世代の美食は豆腐から?地域のおいしい豆腐料理が世界をおどろかせる!

今や先進国を中心に世界的にヴィーガンやベジタリアンは当たり前。もはや「おいしいものは身体に悪い」は非常識な人の言うこと。

そもそもヴィーガンとは?
肉・魚・卵・乳製品・はちみつ、その他の動物性製品を食べない人。完全菜食主義者。
ベジタリアンとは?
野菜・果物・豆類・ナッツなど植物性の食材を主体とした食事法をとりいれている人。

ラーメンが大好きな私にとってはなかなかなじめない考え方なのですが、世界の常識が変化していることについてはしっかりと理解しておかなければなりません(笑)

今、日本のテレビ番組を見ていると「大食い」「食べ放題」「激辛」「過剰な盛り付け」等のグルメ?番組が隆盛ですよね。ロケで飲食店で撮影すればスタジオの費用はかからないし、ネットで検索すればお店の特徴も調べやすい。こういった番組が増えている事情もよく理解できるのですが、残念ながらそろそろ限界が近づいているかも。

環境問題に始まり、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み必要性が高まり、自然保護、動物愛護等、我々がなじんできた便利な消費生活の見直しを迫る運動が世界で広がっています。
ですから、もうしばらくすると「もったいない」「食べ物を無駄にするな」「動物を虐待するな」などなど、さまざまな声が届き始めるとテレビ番組もこのままでは成立しなくなるのではと心配しています。

「ヴィーガン、ベジタリアンの人口」で検索してみるとヴィーガンやベジタリアンはもはや全世界の7%近くなっているとのこと。しばらくすればヴィーガンやベジタリアンを主導している海外のスターが日本の食環境を非難しはじめるはず。そして、それに影響を受けた日本人も騒ぎ出す。という構図があり得るのではないでしょうか。

ヴィーガンやベジタリアンになった理由は人それぞれ。
健康意識、動物愛護、環境意識、体質の問題、宗教上の理由等、さまざまですが、確実に増えている以上、これ以上、目をつぶっていることはできません。新しいマーケットとしてちゃんと取り組んでいく必要がどんどん高まっているというわけです。

ヴィーガンやベジタリアン向けの食事については、以前は食事のメニューの中から「食べられないものを省く」という対応から始まり、食感の似ている代替食を開発したりしているうちに、一般のレストランにもヴィーガンやベジタリアン対応のメニュー、グルテンフリーだったり、ハラルフードだったり、それぞれのニーズに応えるお店が増えてきました。そして、ここ数年よく目にするのが、「フェイクミート(代替肉)」。以前よりかなりおいしくなったようですね。

もはや「代替」ではなく、植物性原材料(大豆、小麦、エンドウ豆、ソラマメなど)で作られたものをプラントベースミート(植物肉)と呼んでおり、 大豆による商品は大豆ミート、小麦による商品はグルテンミートとも呼ばれているようです。ここにきて代替食を探すのではなく、正しい食として認識すべきという動きに変わってきたわけです。

このあたりの動きはヴィーガンやベジタリアンが主導だったとは思いますが、今やCO2削減問題が主導となり、家畜が排出するCO2を削減するための有効な手段として世界で競い合って開発されているという流れです。アメリカからすれば肉の輸出が減っていけば、それを埋める方法を考えなければなりません。となると大豆やトウモロコシ等の食品から植物由来の食品を開発せざるを得ないのではないでしょうか。

なんだか人生の楽しみが奪われるようでちょっと寂しいのですが、それは日本人だけではないはず。
おいしいお肉が食べられない世界の美食家たちはどうするのでしょうか?

そう考えた時に思いつきました。
おいしくなさそうなものを無理においしくしようとするのは難しい。。。
「日本には豆腐というすばらしい食品がある」
日本人の生活に溶け込んだ究極においしい大豆食品があるじゃないかと。

アメリカでは、ベジタリアンやヴィーガンなど菜食主義の人たち、そして、ダイエットをしている人が多いこともあって、今ではスーパーにたくさんの「TOFU」が並ぶのが当たり前です。「TOFU」は日本のものと少し違って固めのようです。チーズなどの動物性乳製品やお肉等の代替食の位置づけが入口なので固くないと食べた感じがしないのでしょう。

日本人は昔から毎日のように豆腐を食べてきた民族ですから、豆腐の美味しい食べ方は世界で一番知っています。アメリカのちょっと堅めの豆腐をステーキにして無理やり食べるのではなく、湯豆腐にしてもいいし、冷奴でもそのままおいしい。堅めのもの、とろとろのもの、干したもの、揚げたもの、それぞれを最高のおいしさで食べるノウハウをもっています。

来年以降でしょうが、たくさんの訪日外国人が再び日本にやってきたときに「代替食ではない大豆の最高の食べ方」を世界の人たちに味わってもらうのはどうでしょう。

地域にはまだまだたくさんの老舗豆腐屋さんが丹精を込めて毎日おいしい豆腐を作っています。その豆腐こそがこれからの地域の訪日インバウンド対策の決め手になるかもしれません。ベジタリアンやヴィーガンとかを特殊なメニュー扱いせず、普通に地元料理としておいしく楽しんでもらいましょう。

このあたりをよく研究すれば地域の飲食店の皆さんにもチャンスが訪れるのではないかと思った次第です。日本の強みは「おいしい水」と「おいしい豆腐」。地域では昔ながらの正しい食を一番おいしくプレゼンしていくことでサステナブルツーリズムを実現するきっかけにしていくといいですね。