地域の観光DXの”D”はDigitalではなくて、先にDesignだと思う今日この頃

アイディアメモ

特定の地域だとかではなく、全国すべての観光協会とかのホームページで観光スポットの検索をしているときに感じること。

「検索=データベースの中から絞り込み」という20年以上前からある単純な構造のため、基本データ(名称、住所、エリア、カテゴリー、施設情報、営業時間、地図等)の項目が増えない限り、検索の選択肢は増えない。検索の選択肢だけを増やすと検索結果が「ゼロ」になってしまうという悲しい思いをすることがしばしば。

全く使えない。。。。

さらに悲しいのは「表示順」問題。

観光スポット検索をしても、「あいうえお順」で検索結果が出るので、その地域の有名な観光スポットが上位に出てこないという悲しい検索機能。どんなに有名で人気があっても、まったく知られていない無名のスポットもデータベースの中では「同格」なため、こんなことになる。

20年以上前の技術でいえば、大量のデータがある場合にはデータベースという箱に持っているテキスト情報と重たくない(笑)画像をいれると一気に整理されて、一覧できるようになるということが「画期的」技術でした。その時を同じくしてに全国で観光情報サイトを作るトレンドになったために同じようなサイトが立ち上がった。そして、そのまま20年たってしまった。
紙のパンフレットは劣化するので作り直すのですが、デジタルで作ったものは劣化しないのでついついいつまでも同じ仕組みを使ってしまう。そのうちに技術が進化して取り残される。残ったものは気が利かない一昔前の不便な仕組み。

でっ、なにがおこっているかというと、

早々に観光協会のページから離脱して、Googleの検索に戻る。またはインスタやYouTubeで検索を始める。そして、アフィリエイト狙いの観光まとめサイトの情報で「○○の人気スポット5」とか「おすすめグルメ10」とかの情報ページに流れ着く。似たようなサイトがたくさんあるけどほとんどがコピーしまってるので同じ情報ばかり。

この劣化情報の渦。何とかならないものでしょうか?

とここまでがいつも感じている不満。
これはこれで大きな問題だとは思うのですが、AIとか進んでいる現在においては技術的な解決策はあるはず。問題はそこに目をとられているともっと大事なことが見えていないということ。

・写真が古い
・情報が古い
・表現が古い
・位置情報を持っていないと掲載されない(フォトスポット的なものは出てこない)
・あいかわらず、飲食店情報は載っていない
・有名であろうと無名であろうと全部同じ扱い
それどころか、一切更新されていない。

そうなんです。
データベースを変えるとか、検索のアルゴリズムを変えるとかのDX話ではなく、根本的な情報デザインができていないところに問題があるのではないかということです。

・この地域をどのように見せていくのか、どのように伝えていくのか
・遠方から来てもらうためにはどのような情報を発信すればいいのか
・この地域を知らない人はどんな情報がほしがっているのか
・この写真でいいのか、たった一枚の写真で魅力は伝わるのか
・季節によって、気候によって表示を変えるべきじゃないのか

このあたりを考えたうえで情報の伝え方、見せ方を組み立てておかないから、「データベースに今ある情報をはめ込んだら検索結果が出てくる」という流れ作業をして、そのまま放置してしまい、そして今のような状態になっている。

DXという言葉が先行していますが、その本質を考えますと紙でやっていることをデジタルに置き換える的に理解されてしまっている”Digital Transformation”よりも“Design” Transformationが先行しないといいシステムができないということをあらためて考えるときなんじゃないでしょうか?DXだDXだという言葉に背中を押されて行政の方々は動き出そうとしているようですが、よその地域がやっているから、前例があるからという言い訳でシステムを導入してしまうとこれまでと同じ轍を踏むのでは。

これからやるべきことを自らデザインしなおして、やるべきことが見えてくると正しいデジタルの使い方が見えてくるのではないでしょうか。