ローカルな駅前は飲食店のチャレンジに向いているのでは? 116/100

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地域の仕事をしているといろいろな駅に降り立つことがあります。
そのほとんどがおそらく朝夕の時間帯だけに学生さんたちが乗り降りしているんだろうなという駅なのですが、今回はそれよりもう少しだけ人の出入りが多い駅をイメージした話です。

マイカーが普及していない頃のかつての駅は地域のハブとして人が集まり、人が出かける場所でした。だから駅前には商店街があったり、飲食店や酒場があったりして1日中賑わいがありました。
差専念ながら、ローカル駅では今、1日10本程度の列車で往復でも20本程度。通勤やビジネス利用するには一本逃した時のリスクが大きいので活用することもできない状態。観光地であれば週末はそれなりに乗降客は増えるものの、週末だけでは食っていけないのでお店が成り立つとは言えない。
こんな感じの駅って全国にたくさんありますよね。

でも、そんな場所だからこそのチャンスってあるのではないか?

<チャンスの芽①・・・店舗スペース>
・駅舎にはかつての売店スペース跡があり、待合スペースが広い
・無人駅であり、本当は駅に管理者がほしい
・こじんまりとしてレトロ感がある(多くはそうではないが。。)
・電気水道ガスが使える
<チャンスの芽②・・・駐車スペース>
・駅前にロータリーがある
・基本的に駐車無料とか短時間無料

かつてのロードサイドの小さいお店は路上駐車が禁止になったときに、駐車場がない店には車で立ち寄ることができなくなり、退店せざるを得なくなったお店が頻出したという時代がありました。それを思えば、小さなお店で駐車場が使い放題なんて夢のような話です。ある意味こんな整った場所で誰も商売していないというのももったいないのでは。
建屋はあるし、ライフラインも整っている、そして、駐車場のことは気にしなくてもいい。
いい条件だと思いませんか?

とはいえ、列車の本数も少なく、日中の利用者は少ないという前提ですから、駅というロケーションはあまり意識せず、整ったインフラと使い放題の駐車スペースを利用した「マイカー客相手」のお店として考えることが前提ですが。(基本、集客は鉄道会社ではなく、自前でSNSを駆使する想定)
そして、駅舎の利用とかロータリーの使用ルールとかは鉄道会社との調整が必要にはなるものの、そこにユニークなお店が生まれれば、地域の活性化にもつながります。時に駅前ロータリーを生かしたキッチンカーや移動販売車のイベントを開催するなどの仕掛けもやりやすそうですね。

駅前をもう一度活性化する取り組みは「駅」を鉄道の機能としてみるのではなく、新しい交流の場として再定義すること。核となる店舗がひとつでもできるといろんな活用可能性が見えてきます。それは地域に新しい拠点ができることですし、その結果、通学の子どもたちの安心安全にもつながるとても良い取り組みになることでしょう。

実現に向けては、いきなり「駅舎を改造してお店を出しませんか」といっても、全然知らない場所でいきなりチャレンジする人はそうそういないと思いますので、できることなら地域で駅の復活・活性化をイベント化して盛り上げながら出店者を迎えたいところです。
欲を言えば、基本的なお店のスペースを不動産会社もしくは小規模デベロッパーがリノベしたうえでサブリース型の賃貸で貸出する仕組みを構築。そして、地域の起業志望者のなかからチャレンジャーを募集し、コンペの上決定するような形で盛り上げ、地域全体で出店者を支えながら、盛り上げていくような取り組みによるといいですね。

地域の不動産会社を中心に古民家や町家をリノベーションしてサブリースで旅館業やゲストハウス、飲食店などに貸し出す事業が活性化していますが、駅前にもそんなビジネスチャンスが広がっているのでしょうか?多少投資に余裕のある不動産事業者の方、鉄道会社にこんな話を持ち込んでみませんか?