沖縄ではタクシー<レンタカー<個人カーシェアとなっているようです。そして、沖縄民泊にも変化の兆し。

アイディアメモ

ひさしぶりに沖縄に出張しました。
夏休みも後半というのに子ども連れのファミリー、若者グループ、そして、東南アジア系の外国人をメインに空港は人でごった返していました。夜の国際通りもアジア系外国人がお土産を抱えて遅くまでにぎわってます。それはそれで「お客さんが戻って本当によかったなぁ」としみじみ思っているところです。ただ、今回、私は空港まで車で迎えに来ていただいたので困ったことはなかったのですが、道中、話を聞いてみるといろんな変化に気づいたりしてここ数年の変化や問題について話を聞かせていただいたのですが、とりわけその中でも交通系の課題が大変だということがわかりました。

タクシー < レンタカー < 個人カーシェア

コロナ禍を乗り越え、需要は間違いなく戻ってきているのですが、
▼タクシー乗務員不足・・・タクシー車両はあるものの、それを運転する乗務員が不足。もともと乗務員の高齢化が問題だったのですが、コロナ禍で観光客がいなくなってしまい、乗務員の仕事を辞めてしまい、需要が戻っても乗務員は戻らず、車だけが余っている。
▼レンタカー車両不足⇒利用料金高騰・・・コロナ前にはレンタカー業界は大いに盛り上がっていたのですが、コロナ禍にはいり、一気に需要がなくなったときに車両の維持費や駐車場の使用料など負担に耐えかねて車両を放出。以前の7割程度しか車両がないため、この夏、観光客はレンタカーの争奪戦の様相を呈していたようです。沖縄県レンタカー協会によれば、2020年に2万1850台あったレンタカーが2022年には1万5091台まで減少したそうです。それとともにレンタカー代金も高騰してコンパクトカーでも一日15000円以上という利用料金ですから2泊3日となると5万円は覚悟しなければなりません。
はい、車を借りられるだけまし、という状態なのです。

●そんなこんなで今注目されているのが個人カーシェアアプリ。
時間貸し駐車場などを利用したステーションに設置されたクルマを共有して使うサービスですが、15分からの短時間利用ができるのでチョコっと乗りたいときに便利。レンタカーとは違って対人手続きが不要のため、アプリを使って24時間365日好きな時間にクルマを借りられます。この業界ではタイムズカーシェアが有名ですが、沖縄で人気なのが「エニカ」という個人の車を貸し借りできるカーシェアサービス。
貸主としては、アプリひとつで個人の車を使っていない時間だけ、カーシェアとして貸出すことで車が稼いでくれる仕組み。沖縄で車を2台持っている方たちはすでに結構稼いているようです。軽く月10万円くらい稼いでいる人もいるようです。お小遣い稼ぎにぴったり。個人の車ですから車種は様々。普段乗る機会がないような高級車やスポーツカーもシェアできるのところも人気。高級車を持っている人はリスクもあるのでしょうが、より儲けやすいようですね。

観光客はアプリで車の受け渡し場所をリクエスト。
空港だったら駐車場で待ち合わせてその場でカギを引き渡して出発できますから、レンタカーよりも楽。「エニカ」アプリは株式会社DeNA SOMPO Mobilityの事業ですから、きっちりと保険も入ってます。相互評価なので、貸し借りの利便性や車両の清潔さとかの評価情報があるのでトラブルは少ないようです。慣れてしまえば便利なんでしょうね。通常のカーシェアだと、駅前の駐車場等にカーステーションを作り、利用者はそこまで車を取りに行くパターンでしたが、個人カーシェアだとオーナーにもよりますが、空港駐車場まで車を持ってきてくれたりするからより便利に使えます。

それでもまだ困っているのは首都圏から来た若者グループ。
結構皆さん免許を持っていないので、移動の足が確保できない。タクシーは高いし、レンタカーは運転できない。結局、本数の少ないバスを乗り継ぎ、移動は極力せず、リゾートホテルの中でマリンスポーツを楽しむ。みたいな小さな動きになっていると聞きました。

となると次は運転手さんもついた「ライドシェア」も必要になるのでしょうか?

話は変わりましてもうひとつ話を聞いた「人手不足」の話。

コロナ以前は約20年近く、中学・高校の修学旅行生を受け入れてくれていたおじいおばあの民泊(農泊)だったのですが、コロナ騒ぎの中で多くの高齢者のみなさんが「コロナにかかりたくない」ということで、残念なことに民泊から卒業されてしまいました。ですから、地元としては数百人単位の受け入れができないケース、分散するケースが出てきているようです。学生さんたちは中高で民泊を体験すると大学の卒業旅行あたりに「また会いに来たよ」って、再び来てくれる沖縄にとって将来の大事な観光客予備軍ですから、どうかうまく継続していただければと願うばかりです。これもまた今後の交流観光のあり方として大きなテーマになると思います。とても気になります。

コロナ禍をこえて新たに発生した人手不足の問題は、これからさらに進む高齢化と並行して発生する世代交代の問題でもあります。コロナ禍によってそれが早めに顕在化したということ。
対面商売のレンタカーはアプリひとつで無人対応可能な個人カーシェアでリプレイスできることがわかりました。はたしてタクシーはどうなるのでしょうか?
沖縄のホテルでは従業員が不足して、掃除もままならないので客室をすべて稼働させずになんとかこの夏を乗り切ったところも多いと聞きます。こちらもいろいろと条件の厳しい住宅宿泊事業法のままでいいのでしょうか?
また、来年の夏にはさらに多くの中国人も流れ込んでくることでしょう。しかも彼らの免許は日本では運転ができません。さて、どうすべきか?

あらためて今後に向けてなにをすべきかが見え始めた今年の夏でしたね。