移動販売車がおもしろい♪Nibakoがおもしろい♪ 117/100

新規事業100

私の名刺には「観光新規事業開発支援プロデューサー」という肩書を書いてあります。
起業して以来、いろいろな方と出会い、いろいろな提案をしてきましたが、どうやら私のまわりにはこれから何かをやりたい人とか、何かをしなければならないけど絵が描き切れていない人とか、踏み出してはみたもののはたしてこれでよかったのかと悩む人がいて、もう一歩踏み出すキッカケというか、踏み台というか、背中を押してもらいたい人が意外とたくさんいるようだということがわかってきました。そんなかたにはこのサイトがピッタリ。このブログ記事には「何が課題なのか」「どうするべきか」「どんな手段が考えられるか」という段取りで整理して書いているので、みなさん私のブログを読んでいただき、頭の整理をしておられる方も多いようです。

で、そんな悩みを持っていらっしゃる方の「一歩踏み出せない」理由はリスクを恐れるから。
なにもしていないうちから、できない理由を先に考えてしまうので動けない方が大半です。そして、できない理由から考えている方はいつまでたっても前に進めていない方も多いという傾向があります。

それでも最近はネット販売もできるし、ローリスクで自分が売ろうとしているものを販売する機会が増えてきましたね。そんな中でみんなが参入しやすい入り口ツールとして私が注目している販売方法が「移動販売車」。

「移動販売車」
コロナ禍を機に急速に普及している新しい業態ととらえています。
以前は都会のランチ難民を当て込んだお弁当屋さんというイメージが強かったのですが、今やイベントでは必須のコンテンツとなり、取り扱い品目も多様化し、食事だけでなく、唐揚げの専門店やハンバーガー、そしてクレープやワッフルといったスイーツまで広がりを見せています。もちろん、フードトラック的なものだけでなく、野菜から日用雑貨、ハンドクラフトなども販売できる移動販売車も多くあります。

過去5年間の「キッチンカー」というキーワードでの検索機会推移では増加傾向にあることがわかります。(「移動販売車」というキーワードではあまり検索されていないようですのでここではキッチンカーで検索。)
Google Trends(https://trends.google.co.jp/trends/?geo=JP)で「キッチンカー – 日本、過去 5 年間」の 人気度の動向 を見ると以下のグラフになります。5倍以上の伸びですね。

キッチンカー・移動販売車増加の理由としては
・コロナ禍で密を避けて弁当・総菜を購入したい消費者ニーズが高まった
・固定店舗の来店客が減った需要を埋めるために移動販売へとシフトした
といったところでしょうが、それにともない
・移動販売車を設置、販売できる場所が増えてデータ整備が進んだこと
・アウトドアのイベントなどで移動販売車が集まる機会が増えたこと
・そしてさらに、キッチンカーもその他の移動販売車もおしゃれに進化した
というところで一気に需要が高まったのではないでしょうか。

一方で参入希望者にとっては
・固定店舗で1000万円程度のリスクを抱えるのはちょっとキツい
・移動販売車であれば300万円前後で初期投資が収まる
・広い商圏で販売機会が得られる
・1〜2人の最少人数で運営ができる
などのメリットがあり、これまで起業に抵抗があった人たちでもリスクを少なくして参入ができるし、コロナ禍で広がった副業のひとつの手段としてもやりやすい方法だったんだと思います。
調理加工の安全性の観点から保健所の規制も多いながらも、まだまだ参入余地も多く、伸びていく可能性も高いと思います。

移動販売車の1日あたりの場所代は
・イベント・フェス・・・1日3,000~10,000円程度が相場
・都心のランチ・・・平日1日5,000円程度、売上の15%くらいの歩合制
・スーパー・ショッピングセンター・・・平日が1日3,000~5,000円程度、土日祝は5,000円~10,000円程度
・道の駅・サービスエリア・・・1日5,000円程度

土日は出店機会は多いのですが、平日については出店可能な場所が少ないというのが難点ですね。
ですから、固定店舗を持っている店が店休日に移動販売を行うとか、他エリアのイベントに出店して顔を売るとかの使われ方も多いようです。

地域においてもイベントが復活し、移動販売車のイベントやイベントへの移動販売車出店の機会も増えてきているようで、私がたずさわっている新潟エリアのイベントでは県をまたいで長野県から来て出店している方もいらっしゃいます。移動販売の話ではありませんが、ハンドメイド、ハンドクラフトのイベントをよく見に行くのですが、出店者さんたちの中には結構全国のイベントを一年中回っているような方も結構いらっしゃいまして、観光とイベント販売、移動販売をセットにして楽しんでいるように見受けられます。全国を旅して稼ぐ!これも新しいライフスタイルなんでしょうね。

ダイハツの「Nibako」に期待♪

そして、ここにきてさらに参入障壁を低くする新サービスがダイハツの「Nibako」というプロジェクト。(https://nibako.daihatsu.co.jp/
軽トラックの荷台に物販用の箱をセットしたものを貸し出し、移動販売を始めたい小売業等の事業者をサポートするという事業。1日単位で物販用の移動販売車をレンタルできるサービスなので低リスクで移動販売ビジネスを始められます。自動車メーカーにもかかわらず、販売ではなく、レンタル限定で展開してくのは、自動車販売以外でも地域のみなさんとの接点を作り、つながりを深めていくのが目的だそうです。

レンタル費用は1日13,200円、1カ月でも66,000円という格安の設定。
移動販売車一台買うことを思えば超格安。

Nibakoにより変わること
・移動販売車を買わずに商売が始められる
・家賃のみならず、駐車場の費用すら不要
※ただし、キッチンカーではなく、物販用限定、バッテリーも内蔵しておらず外部電源使用です。

Nibako参入で、起業創業、副業を目指す人たちにとってさらに参入ハードルが下がったので、これまでできるかどうか悩んでいた人たち、自信が持てなかった人たちにも大きなチャンスが訪れるというわけです。とにかく商品さえあれば、お店を持つことができるのです。

在庫を抱えて困っている方、週末副業を目指す人、自宅で商売をしているけどお客さんが増えなくて悩んでいるお店の方などなど、いろいろ活用できそうです。物販しなくても、アンケートをとったり、モニター体験する場にしたり、単なる広告車両としても使えるし、直接消費者との接点を作る機会として利用もできる、とても可能性を感じるサービスとして広がりそうですね。

私が期待しているのは、もうひとつこれまでと違う点。。。
これまでは車種に限定なく、改造を施して移動販売車やキッチンカーにカスタマイズするというオーダーメイド方式でしたから車両代以上に時間とコストがかかってきましたが、ダイハツさんのほうは軽トラック「ハイゼット トラック」に限定した展開なので、荷台の寸法が統一フォーマットとなり、その中でさまざまなパーツの組み合わせにより、出店者ごとにいろいろな商品を販売するフォーマットを作り上げられるところ。専用のパーツ屋さんもしばらくすると出てくることでしょうね。