美術館が好きになる ミュージアムハック 11/100

若いころ、旅行営業をしながら、海外旅行の添乗員として結構海外に行く機会がありました。
今から30年以上前の時代なので、ご一緒するお客様はほとんど海外旅行が初めてとか、数回程度でしたから、旅程の管理だけでなく、体調に気を使い、荷物の盗難に目配りしながらも、一週間で国々を転々としながら観光をしていました。今なら絶対に添乗員はやりません(笑)

そんな経験をしつつも、お金をいただいて海外旅行に行き、いろいろな都市の名所旧跡、美術館・博物館を見て回らせていただきました。
そこで感じたのは「もっと海外の地理・歴史を勉強しておくべきだった」「キリスト教の歴史を知っていればもっと深く楽しめただろう」。。。

ルーヴル美術館、プラド美術館、ウフィッツイ美術館などの有名美術館には、アートを知らなくても見たことのある絵画・彫刻がたくさんあります。
その一つ一つの作品について、どこがすばらしいのか、なぜこの絵が描かれたのか、どんなできごとが背景にあったのか、まったく知識なく見るのと、わかっててみるのでは大違い。
せっかく現地で本物を見ているのに実にもったいない。地元の日本人観光ガイドさんの説明がなければ、貴重な絵画かどうかも知らないままに通り過ぎていたことでしょう。

そんな経験もあって、美術館・博物館の類はある程度知識がないと面白くないと思ってしまい、知名度の高い美術品の集まる企画展以外はあまり行ったことがありません。わかったような顔をしてみることも面倒です(笑)

でも、アメリカの主要な美術館には「ミュージアムハック」というツアーがあります。
https://museumhack.com/
2013年にメトロポリタン美術館から始まったものですが、今では全米に広がっています。
・案内するツアーガイドは、俳優やコメディアン、そして教師等さまざま
・アートのエキスパートや学芸員が専門的な立場からアカデミックな知識を教える形ではなく、友達グループでカジュアルにアートを楽しむ
・テーマはツアーガイドの得意領域や特定のテーマにしぼりこんだものや映える写真をみんなで撮ったりするものなど、さまざまです。
 ○人気ドラマから中世に引き込む「Game of Thrones(ゲーム・オブ・スローンズ)」ツアー
  ○ 人気のないセクションをわざわざまわる「Un-Highlights(アンハイライツ)」ツアー
  ○ イケてる昔のビッチたちを知る「Badass Bitches(バッドアス・ビッチーズ)」ツアー
  ○ “彫刻のお尻”を見て回る「The Metropolitan Museum of Butts(お尻ツアー)」

「どれだけ有名な世界最高峰の絵画(モノ)を見たかよりも、参加して楽しいツアー(体験)がいい。」という考えでツアーが組み立てられています。
ツアーは60$程度で2時間たっぷり楽しめます。
今は残念ながら、多くの美術館が開館していないのでツアーは催行されていません。
ぜひ復活して、美術館に戻ってきてもらいたいものです。

これって日本でもできますよね。
ミュージアムハックがスタートしたころからずっと思っていて、いろいろな人に話はしましたが、まだ日本では動いていないようなので、やりたくなった方はまだ十分に間に合います。

資本がある会社の方ならばmuseumhack社と業務提携することで、訪日インバウンド復活の折には外国人旅行客向けのパワーコンテンツになるでしょう。

※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
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