リピーターを生む貸農園×民泊 49/100

日本とは違い、欧米の消費需要、旅行需要は回復基調にあり、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は各国の規制緩和やワクチン接種率の上昇を背景に、2022年以降は国外旅行の支出が大幅に増加すると予測しています。傾向としては、サステイナブル(持続可能性)を意識した旅行や健康的なライフスタイルに対する意識が増加しているとのこと。ウクライナ情勢もありますが世界的に見れば人流は戻りつつあります。

そんな中でコロナ禍での回復スピードが速かったairbnbは欧米中心で今夏の予約がコロナ前の25%増、郊外物件の長期滞在が好調、都市部の回復もコロナ禍でリモートワークなどが広がり、郊外での物件での長期滞在が増えたことがこれまでの最高益につながったということです。

国内では今年に入ってから、観光地にも徐々に人が戻りつつありますが、まだ若い人やファミリーが中心。そんな状況ではありますが、民泊業界では去年から密を避けて、貸切状態でゆったりと楽しめるということから日本人の若者からの滞在型の予約が増えて、コロナ前よりも市場が拡大しつつあるとのことです。アウドドア系やキャンプとかも同じ状態ですね。

今後ともこの傾向は続くと思われますので、2018年にできた住宅宿泊事業法(民泊新法)で一気に全国に広まった民泊については、コロナ禍により一度壊滅状態にはなってしまいましたが、民泊業界に再び投資をするのならば今ではないかと直感的に思っています。

民泊はこれまで東京・大阪・札幌・福岡等の大都市を起点に各地へ旅するベースキャンプ的な役割で広がりましたが、次世代の民泊は大都市周辺(1~2時間くらいまでの距離)で密を避けてゆっくり滞在できるという条件へと広がりを見せるのではないかと思っています。

そうなると大都市から1~2時間の距離で考えるとそこそこの広さの空き家はごろごろしていますから、チャンスは多いのではないかと思います。
そして大事なのは大都市型の民泊との差別化。
大都市の民泊のホストはマンション型の部屋を用意して無人チェックイン。ゲストをケアすることはなくチェックインアウトだけの確認をしていればよいのですが、地域の民泊はできればゲストとのかかわりを増やし、観光ホスト、体験ホストとしてサービスを充実させるのが長期滞在やリピートにつなげられるのではないでしょうか?そうなれば宿泊料に体験料も加えることで当然消費額も上がります。

で、日本人向け滞在型コンテンツのアイディアとして「貸農園」とのセットをご提案。

貸農園と聞くと種を植えて、水を撒いて、成長を待つ。。。
それが待ちきれない。
常に面倒を見なければならないので大変。
みたいな感じで苦手意識を持つ方も多いですね。

でも、実は大都会の子どもを持つ親にとっては大事なコンテンツなんです。
その理由は、「お受験に有効な経験」だからです。
お受験となると親まで面接があるものですから、親と子が一緒に体験していることが大事。しかも教育につながっている体験であればなおのこと。
ということで、エコでSDGsでネイチャーでヘルシーで無農薬で、みたいなキーワードがたっぷり含まれているのが農業ですから、それにかかわれる貸農園はとても大事なコンテンツ。というわけです。

ですから、民泊施設の周辺にある遊休農地、放棄耕作地等を借りて、貸農園として宿泊者に提供すれば、育成状態に合わせて定期的に宿泊していただける可能性が生まれるということ。
もちろん、毎日はこれませんから、その間は定期的にケアをしてあげて、スマホから写真をアップして報告するみたいなサービスも貸農園の費用に含めればいいということです。気のきいた貸農園は収穫した野菜を定期的に自宅に送るサービスも行っています。
それを民泊とセットでやっているところはまだ少ないのでは。

民泊は大きな設備投資なしで簡単に始められるビジネスではありますが、一事業者としては大きな宣伝をかけられないので集客にてこずることが多いのですが、こういった体験コンテンツを組み合わせることで「宿泊する目的」を提供できるようになり、利用者が増やせる可能性が高くなるものと思います。

「貸農園×民泊」
空き家や農地が余っている地域はありですね。

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