SDGs 15.5 絶滅危惧種保護を観光の役割にする 51/100

SDGsには17の目標とその下に169のターゲットが設定されています。
No.15は陸の豊かさも守ろう
その下のターゲット15.5は「自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる」というもの。

「絶滅危惧種」という言葉を一気に身近にしたテレビ東京の「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」という番組は、日本に古くから定着している在来種に対する「敵」を池やお堀の水を全部抜いて、人気タレントがドロドロになりながら生け捕りにして、絶滅危惧種を守るという爽快感で人気になりました。この番組、実は勧善懲悪のヒーローもの番組なんです(笑)

この番組の好きなところは、とんでもない荒れた場所に乗り込んで「敵を捕獲する」のではなく、誰もが知っている有名な観光スポットでも「こんなに外来種に占拠されている」ということをあらわにして、地域の人たちの協力の下、解決しているさまを可視化しているところ。
とてもわかりやすいし、実績がでやすい。
さすがテレビ東京と感心してます。

そこで気がついたのですが、たしかにテレビで何度も何度も「敵」である外来種の姿を見たり、絶滅危惧種の姿を見たりしていますが、そこはテレビの中だけのこと。
せっかく注目を集めたわけですから、その大事な情報は継続して伝えた方がいいのではないかと。

私の住んでいる小田原でも以前小田原城のお堀の水を全部抜いてましたが、そこでわかった貴重な情報は現在散歩していても残念ながらどこにも存在してません。6年前にリニューアルされた小田原城周辺の観光案内表示はそこかしこにあり、丁寧な説明でとても整備されているのですが、そのスポットの歴史的な説明だけ。(当たり前ですが)

観光客がそこに来る理由は観光スポットがあるからなので、そこについての説明することは当たり前ですが、観光客が興味を持っていることはひとりひとり違います。
SDGsの持続可能な開発目標でも、人それぞれ身近に感じるもの、使命を感じるものが異なります。

くりかえしになりますが、ターゲット15.5は「自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる」となっていますので、「池の水を全部抜く」でせっかく調べてもらったいい情報がその場限りで消費されてしまうのではなく、うまく利用して「意味のある対策」として活用すべきではないでしょうか?

みんなでもう一度、水を抜いて。。。ということではなく、テレビ番組を見た人たちや環境保護に興味を持っている人たちだけのためでもいいので、観光案内表示とともに「絶滅危惧種」と「外来種」の写真や情報を掲示するとか、スマホで見られるようにするとかしてほしい。
そうすればそこに立ち寄った人たちがターゲット15.5を意識するきっかけづくりをするだけでSDGsへの取り組みとして評価されるのではないかと思います。SDGsへの取り組みはこうしたところからスタートでいいと思います。

これは小田原の取り組みどうこうということではなく、観光案内表示とはその地にまつわる情報だけでなく、これから未来に向けて取り組むべきことまで幅広く表示してもいいのではないか?ということをあらためて気づいたというお話でした。
これもひとつの観光の役割だと思います。

地球の環境保護にかかわる動植物の画像やデータベースを持っている出版系の方々にとっては、ターゲット15.5の取り組みは大きなビジネスチャンスになりますね。

※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
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