地域をライブコマースで売る 69/100

最近、「夢グループ」のテレビショッピングに中毒性を感じています(笑)

ところで「ライバー」ってご存知でしょうか?
今、日本ではやっているのは、スマホアプリなどの配信サービスを使って、おしゃべりやダンスや歌をライブ配信している人たちのことです。「17ライブ」とか「YouTubeライブ」、「SHOWROOM」、「Pococha」等、さまざまな配信サービスがありますがおもに視聴者からライバーへのおひねり的な送金の仕組みである「投げ銭」で収入を得ています。

視聴しているコンテンツやライバーに価値を認めた人はその価値をお金に換えて投げ込むわけですから、いいコンテンツを提供する人気の高いライバーはしっかりと稼げているようです。

ということで、「ライブ配信」に注目してみます。

コロナ禍でライフスタイルの変化が進む中、オンラインショッピングの方法にも変化が生じ始めていまして、なかでも「ライブコマース」はこれから日本でも注目を集めるだろう筆頭のサービスです。ライブコマースはわかりやすく言えば「オンラインショッピング」×「ライブ配信動画」。
ライブ動画で商品説明を見ながら購入することができます。リアルタイムに質問ができたり、チャットでほかの人の感想を見たりしながら検討できるのでテレビショッピングより双方性が高いのが特徴です。ライブコマース先進国で爆発的に市場が成長している中国では人気の高いライバー(日本ではライバーといってますが、海外ではストリーマーと呼びます。)はわずか一時間の配信で数億円稼ぐ人も出ています。

「2020年6月時点では中国全体のインターネットユーザー約9.4億人のうちの3割強、約3.1億人にまで到達しました。iresarchが公開したデータによると、2020年には1兆元(17兆638億円)を越え、さらに今後5年間も急成長をみせ2025年には6兆元(100兆円)を超えると予想されています。」(crossborder next記事より引用)

今のところ、ライブコマースでよく売れる商品は、テレビショッピング同様に衣服・ファッション、化粧品、生鮮・食品、日常用品、家電、インテリア類であり、その試用を実演したり、試食したりすることで「身近に体験・認識させる」ことにより販売につなげています。

では「旅行」はどうでしょうか?
テレビショッピングではジャパネットたかたが2023年度の全船貸切のクルーズ船商品を発表して話題になっていますが、一般的なテレビショッピングの中では旅行販売はそれほど大きくないカテゴリーかもしれません。日本ではどちらかといえば「旅番組」からの訴求効果の方が高いような気がしますから、ライブコマースで売れるかどうか、未知数なところがあります。

ただ、昨年コロナ禍の中で話題になったのが、中国で最大手のオンライン旅行会社、トリップドットコム・グループ(Trip.com)が梁建章会長自らがライブ配信により中国内のホテルプランなどの販売を行ったところ大人気となったという話。社内チームが選んだ10カ所の候補地を、自ら一般の観光客として体験・評価し、最終的にそのなかからライブ配信で紹介するホテルを選択する、という企画だったようです。

中国初のライブコマース市場の拡大はおそらく訪日インバウンドが回復するであろうここ1~2年のうちに必ず日本でも対応を求められることになりそうですね。

地域にとっては大チャンス。
世界に向けて直接アプローチができるメディアがまた新しく生まれたわけですから。

では何を売っていくか?

全く知らない日本の地域の旅行商品や宿泊商品をいきなり買っていただくのはハードルが高いでしょうから、まずは地元の産品の通販からでしょうね。
なぜこの商品が素晴らしいのか?を土地の紹介、景色を見せる、作る人を見せる。。。
地域のストーリーとモノのすばらしさをセットで伝えることにより、商品を訴求しながら地域を売っていく作戦がいいのではないでしょうか?

視聴者がどこに反応したのか、どんな質問が出たのか、何を欲しがっているのか、ライブコマースを見ていきたいと思ってくれるのか。。。
これらのデータが目の前で得られると思うとやらない手はないですね。

もちろん、伝える人(ライバー)のパフォーマンスもとても大切です。
今から、育てておくと盛り上がった時に大きなリードができると思います。

地域発ライブコマース、注目です。

※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
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