ギフティが開発した「旅先納税」Ⓡは、旅行や出張で訪れた地域でQRコードを読み込むだけで、旅先でふるさと納税を行い、返礼品としてその地域でその日から利用可能な電子商品券を受け取り、その地域の加盟店での支払いに充当できるというしくみ。現在全国で5つの市町村に採用されています。
藤沢市のスタートアップであるグローキーアップが開発した「IoTふるさと納税自販機」は、①自販機のタッチパネルで返礼品を選択②住所を登録(運転免許証から住所・氏名など読み取り可能)③寄付方法を選択(支払いはクレジットカードのみ)。という簡単なステップでふるさと納税ができ、その場で使えるクーポン券などの返礼品が受け取れるしくみ。神奈川県を中心に展開がはじまっており、御殿場のプレミアムアウトレットモールや箱根ユネッサン、ゴルフ場などで導入されています。
これだけ認知度が高まっているふるさと納税ですが、実際には個人住民税納税者の10%程度しかふるさと納税を使っていない、逆に言えばまだ9割の納税者がブルーオーシャンとして目の前にあるということのようです。12月にかけてはものすごい数のふるさと納税のCM量が投下されているところを見ると、よほどおいしい市場なのでしょうね。
「IoTふるさと納税自販機」は高額納税者の集まりやすいゴルフ場に目をつけ、そのゴルフ場以外の市町村からきている利用者に対して、その日に使える「ゴルフプレイチケット」を返礼品にしていることで実績を上げているようです。うまく考えてますよね。
地域のプレミアム商品券やGoToトラベルのクーポン券とかと同様に「旅行中に使えるクーポン券」として手に入れると無理やりにでも使い切って帰ろうとする気持ちになるので、現金やクレジットカードで支払うときよりも気持ちがおおらかになり、消費額も上がるという効果もありそうですね。
これからは宿泊施設、ゴルフ場、ローカル線の特別列車等、比較的単価の高い観光事業者の集客施策としても「ふるさと納税」は活用されそうです。
たとえば、
<予約するタイミングで>
日時、人数を入力して、利用額が決まったタイミングで、ふるさと納税額を提示してその場で決済することもできるでしょう。キャンセルや人数増減については、当日チェックインした段階で最終的な納税額を確定させて、引き落とせばもめなくてすみます。
<到着した駅で>
旅行のルートや目的地が決まっていない人向けに、交通機関(電車・バス・レンタカー)チケットや観光施設の入場料等をふるさと納税が買える仕組み。電子マネーで何でも買えるとかできなく、旅行行動を提案することで、お得に旅する感じが提案できる。
今後は上記のように細かな対応ができるように進化していくのではないでしょうか?
そうなるとふるさと納税は旅行中の様々な場面でクーポン券やチケット、商品購入に使えることになっていくと思います。旅ナカでのデジタル決済の一つになっていくのでしょう。
そこで、旅ナカでふるさと納税が当たり前になるならばぜひ地域の観光行政の方にやっていただきたいこと。
旅ナカでふるさと納税していただいた=地域で使えるクーポン券を持っている=また来ていただける可能性が高いという大切なお客様。
これまでは観光客が主体的にスマホなどで情報検索することはあっても、観光客が現地についた後に(つまり、今そこにいる観光客に)対して、観光事業者がそこに向けて情報をキャスティングしていく手段がありませんでした。せっかくそこにいるのに「ここにきて」と伝えられないのです。
旅行中にふるさと納税をしたというデータは自治体のものですから、それを活かして地域の観光事業者、飲食店などに活用していただける「今」の情報発信ができるしくみをセットで展開していただきたいですね。
「今日は雨だから3割引き」とか「16時からイベントやります」とか「ボランティア手伝って~」とか、いろいろと投げ込んでみたいと思いませんか?
こんな仕組みがあれば、きっともうかります。
ふるさと納税の新しいしくみの話ではありますが、地域にとっては大事な稼ぐポイントであったりもするというお話でした。
※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
一緒にやれそうなときはぜひ声をかけてください。
100までやります♪