通年観光=地域の日常を旅する新しいカタチ その2 62/100

アイディアメモ

通年観光=地域の日常を旅する新しいカタチ 58/100 では、最近よく耳にする「通年観光」について、私なりの定義を書いてみました。

通年観光は旅行者が町の営みに参加すること。
ordinary = everyday life
通年観光では「地域の日常の中に旅行者が存在している」という姿をイメージしており、外から来たお客様ではなく、日常の中では、どちらか片方がメリットを提供する関係性ではなく、対等な関係によって実現できるものではないか、としました。はじめはホストとゲストの関係からのスタートですが、その地域に何度も訪問しているうちに気がつけば仲間として地域が受け入れているという姿が理想です。そして、そこで地域の人が提供する価値は地域のこと、仕事のことを日常のままで話し、伝え、地域のことを知っていただくこと。飾らない日常です。

この考え方をどうやって具体化し、地域に利益をもたらすか?

人気観光スポットがある、年中人の集まる観光施設・テーマパークがある地域にはピンとこない話かもしれませんが、それらの観光地でも地域にもたらす観光収益はごく一部の事業者に集中しており、地域全体への波及が少ないケースがあります。

通年観光では
①マスツーリズムとかオーバーツーリズムではなく、「分散型」で「サステイナブル」
1ヵ所、1イベントで10万人を集めるのではなく、年間1000人来るところを100ヵ所作るという発想です。一極集中で一部の事業者に一時的な収益が降ってくるものではなく、飲食店や地場産業、趣味の会も含め、たくさんの人が大きな仕掛けを構えることなくサービス提供者となり、日常の延長線上でゲストを迎え入れて楽しんでもらうことになります。
②通過型の観光ではなく、「時間消費型」で「滞在型」
見たこともない風景を見て、映える写真を撮り、次は盛りだくさんの海鮮をいただき、さらに移動してスイーツ写真を投稿する忙しい旅行においては、友だち同士で行けば盛り上がるのですが、現地の人たちとの触れ合い、会話が少ない。通年観光のシーンでは、地域のお店や集まりに参加して、地域の人に教えてもらったり、一緒に作ったり、みんなで歩いたりする体験を通じて、その町で過ごす楽しみを見つける。その町でできることが増える。やりたいことが見えてくる。また来たくなる。会いたい人ができる。。。
今までにない新しい旅のよろこびを提案することになります。

旅行者の立場でいえば、
①日常生活でできないこと、できなかったことにチャレンジする・チャレンジできる
②日常から離れ、別の地域の人たちとのコミュニケーションができ、なじみができる

③その地域でできるようになったことを家に帰ってやりたくなる、話したくなる、達成感を感じる
「見る」「食べる」「遊ぶ」だけでは絶対に得られない実感を体験できるのではないでしょうか?

このような考えに基づき、「時間消費型」で「滞在型」のちいさな体験を地域の中で順番に作っていくとその地域、その町を楽しみに訪れる旅行者が増えていくことでしょう。

私は会社員として60歳を迎える前、50歳を過ぎたころから老後は何をして過ごすのか、仕事以外にどうやって時間を過ごすのか、その時に友だちはいるのだろうか?毎日やることがあって充実しているのだろうか?と自問自答していましたが、その結果、「やばい、時間が余る」という結論でした。
老後、家でずっとテレビを見ながら過ごすのではなく、いつまでも自分に刺激を与えながら楽しく過ごしたい。私と同じ発想に至る方も多いのではないでしょうか(笑)

反対に地域の方々も通年観光に取り組むことで、たくさんの知人・友人が全国にできると毎日が楽しくなりますよ。しかも、体験プログラムとして商品化・サービス化すればお金も入ってくる。

首都圏から2~3時間くらいのエリアに友人・知人を広げられれば、行くところに困らない。
そんな新しいツーリズムが期待されます。

※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
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