宿泊施設の会議室・宴会場だけを別に売るという発想 53/100

新規事業100

ここまで宿泊施設についての新規事業アイディアを9つも書いてました。
これまであまり売っていなかったものに着目する、施設をもっている優位性を生かして拡張させたアイディア、「宿泊を売る」だけに執着せず、「施設を利用した体験を売る」ような発想だったかと思います。

今回はシンプルな疑問から。

宿泊は自社サイトと宿泊OTAのサイトで販売しています。
でも「会議室や宴会場だけ」を販売はしていないというのがほとんどの現状かと思います。
これまでは宿泊(1泊2食付き)の延長線上で食事場所としての団体向け宴会場は宿泊費に「込み」で販売してきました。ただ、コロナ禍により団体旅行は控えられ、宿泊人数に単位も少人数にスケールダウンしていますから、当面は宴会場を埋めるような団体やイベントについては期待を持てません。
これを何とかしたい。

住宅、会議室など空きスペースの貸し手・借り手のマッチングサービスである「スペースマーケット」をご存知でしょうか?全国約20,000件の遊休スペースと会議や食事、イベントスペースを探している人とのマッチングサービスで、シェアリングエコノミーの旗頭といわれているサービスです。

貸しているのは一軒家、マンション、アパート、古民家などの住宅のスペース。会議室やオフィススペース、コワーキングスペース。カフェ、レストラン、居酒屋、バーの営業時間外のアイドルタイムの活用。体育館、バスケットコート、パーソナルジム、スタジオ、グラウンドなどのスポーツ施設まで様々な場所の空いている時間を販売しています。また、観光的な視点からは廃校、お寺、お城、無人島、映画館といった、ユニークなスペースも掲載しています。

女子会、ママ会、誕生日会、料理、バーベキューも仲間だけでできますし、会議、ミーティング、セミナー、面接、研修、試験、オフサイトミーティングにも使えます。地方の古民家はコスプレの撮影会で活用されてますし、YouTuberの撮影にも喜ばれています。ほかにもボードゲームを楽しむ場とかスポーツ観戦、ヨガ、ピラティス等、実に様々な目的で利用されています。

スペースマーケットの決算資料によるとコロナ前は一施設あたり7万円くらいの売上、コロナ禍の中でグループの人数が減ったことで一施設あたり5万円程度になっているものの、利用者・利用件数は増加し続けていまして、昨年度上場、2021年度は最高益になっているとのこと。

これからアフターコロナで外出、おでかけが増え、今まで会えなかった人たちに会おうとするリベンジ消費(リベンジミーティング)が間違いなく出てきますので、「再開する場所」のニーズは確実に高まります。

一方でスペースマーケットはまだ大都市圏中心の施設登録のため、東京とか大阪だとものすごい数のリスティングですが、周辺地域や観光地の名前を入れて検索してもほとんどリストに出てこないのが実情。(一度自分の地域の住所を入れて検索してみてください。)

チャンスですね。

個人も企業も表に出て気分を変えたい。けど、集まる場所がない。
では、宿泊施設の会議室や宴会場をスペースマーケットに掲載してみよう。。。というわけです。

宿泊商品は宿泊サイト、OTAで実にうまく販売できるシステムになっていますが、会議室や宴会場は販売してくれません。餅は餅屋ですから、会議室や宴会場の空いている時間はスペースマーケットで販売するという単純な発想です。まだ全く競争が発生してないマーケットですから、早い者勝ちかもしれませんね。

※新規事業100のカテゴリーは、私の思いつく観光系新規事業を日々書き留める場所。
 一緒にやれそうなときはぜひ声をかけてください。
 100までやります♪